衆院内閣委員会で26日閉会中審査が行われ、「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」から大河原雅子、早稲田夕季、吉田統彦、中谷一馬各議員らが質問に立ち、新型コロナウイルス感染症対策などについて、政府の見解をただしました(写真上は、質問に立つ大河原議員)。
大河原議員は冒頭、国民に対し安心を与える前向きな答弁を求め、その上で(1)第5次男女共同参画基本計画策定(2)障がいのある人の罹患後の対応(3)介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取り扱い(4)持続化給付金支給対象の拡大(5)住民票のないホームレス等への特別給付金の支給――について質問しました。
大河原議員は、政府は2020年までに指導的地位における女性の割合を30%にするとした男女共同参画政策の目標を断念し、新たな目標時期は20年代の可能な限り早期にという曖昧な形で先送りしたと指摘。これに対し今井絵理子政務官は、「更なる議論を踏まえて計画策定に向けた検討を進めてまいりたい」と述べるにとどまりました。
早稲田議員は冒頭、地元神奈川の大学生が傍聴に来ていることを紹介。大学はオンライン授業になり、後夏休み明けもオンライン授業が主なところが多いと指摘。さらにアルバイトが切られ、学費が重くのしかかり困窮している学生も多いと語り、改めて大学と大学生への支援を求めました。その上で、(1)医療体制や病床のひっ迫状況(2)東京医師会の提言や、世田谷区の取り組みのように社会的な検査の体制作りの必要性――について質問しました。
社会的な検査の拡大について政府コロナ分科会の尾身茂会長は、検査について症状の有無などにより3つのグループに分け、無症状者で感染リスクが低く陰性の証明が必要なカテゴリ(海外渡航や興行者、スポーツ選手など)については、「国民的なコンセンサスを得る時期にきており、どういう形で国が応援するのか、どこまでするのかを早急に結論を得る時期にきた」と答えました。早稲田議員はこれを受け、「多くの方々に安心を得ていただくための検査の拡充を切に願う」と述べ、質問を終えました。
吉田議員は、(1)早期の国会召集が行われない明確な理由(2)現状、第2波の到来と認識しているか(3)インフルエンザへの対応(4)感染症法の2類相当の見直し(5)科学的根拠に乏しく、効果が弱く安全性が担保できないワクチンに30億もの予算がついた明確な理由(6)医療機関への経営支援(7)パラジウムの高騰と歯科医療への影響――について質問しました。
早期の国会召集が行われない理由について西村明宏官房副長官は、「与党の皆さんともご相談しながら対応してまいりたい」「通常国会で成立した本予算そして補正予算の執行にまずはしっかりと取り組んでまいりたい」と答弁。吉田議員は開かない理由を自民党総裁でもある内閣総理大臣が持っているのかと問うと、西村官房副長官は「自民党は非常に民主的な党」「党の運営に関してはしっかり党と協議をさせていただきたい」と述べるにとどまり、明確な理由は示されませんでした。
中谷議員は、(1)ベーシックインカムの実証実験(2)現状を踏まえての消費減税(3)コロナ禍でのカジノを含むIR――について質問しました。
中谷議員はベーシックインカムの導入に関する実証実験と特別定額給付金の効果検証を求めると、西村康稔担当大臣は、幅広い視点からの検討を行うことが必要だとの認識を示した上で「人生のそれぞれの段階において生じるリスクに対して、年金制度や生活保護、生活福祉資金貸付制度など、さまざまセーフティネットを講じてきている」「そういったことを踏まえれば、いま直ちにベーシックインカムについて検討を急がなければならないという状況ではない」と答弁しました。