衆院法務委員会で22日、大企業に社外取締役の設置を義務付ける規定や株主総会の規定見直し等を盛り込んだ会社法改正案(「会社法の一部を改正する法律案」および「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」)が修正の上可決しました。修正案は立憲民主党などの野党共同会派(立国社)>が提案し、与党と共同で提出しました。

 本法案では、株主提案権の濫用的な行使を制限するための措置として、量的制限、内容に対する制限が設けられていますが、特に内容制限規定の判断基準に裁量の余地が大きく、株主の権利を不当に制約することも可能になると考えられることから、野党は極めて問題だと指摘。株主提案権の内容制限規定を削除し、株主の権利を保護する修正を行うことが必要だとして与党との修正協議を進めてきましたが、与党がこの修正案をすべて受け入れる形で20日、協議がまとまりました。

 与野党の修正協議は、20日の参考人質疑で、会社法改正要綱をまとめた法務省の諮問機関「法制審議会」で部会長を務めた神田秀樹学習院大学教授が「権利濫用に当たらなくても拒絶できるのか」との質問に「(法律が通れば)今までは『権利濫用』だけだったものが『権利濫用的』な提案まで認められるようになる。それが論理的帰結だ」と回答、企業側が恣意的に株主提案権を拒否できることが明らかになったことから急速に進みました。

 同日の委員会で修正案提出者の山尾志桜里議員は、株主提案権の内容制限規定について「本委員会での審議において、『民法における権利の濫用の一般法理との関係を整理するべきである』との指摘や、『当該株主提案が権利の濫用に該当するかどうかの、より明確な規律を検討すべきである』との指摘等があった。このような指摘等を踏まえると、株主提案の内容によりこれを拒絶することができる場合についての規定を設けるか否かを検討するかに当たっては、裁判例や株主総会の実務の集積等を踏まえ、権利の濫用に該当する株主提案権の類型についてさらに精緻に分析を深めながら、引き続き検討していくべきものと考える」と修正案の趣旨を説明。

 概要については、会社法改正案の修正案は、株主提案権の濫用的な行使を制限するための措置に関する改正規定のうち不当な目的等による議案の提案を制限する規定の一部を修正するもの、会社法改正案施行に伴う関係法律の整備等に関する法案の修正案は、会社法改正案の修正に伴い、(1)一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(2)保険業法(3)資産の流動化に関する法律――の改正規定のうち社員提案権等に関し不当な目的等による議案の提案を制限する規定の一部を修正するものだと述べました。