衆院内閣委員会で「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案」が強行採決されたことに対して抗議し、逢坂誠二政務調査会長は、阿部知子、岡本あき子両衆院議員とともに、3日国会内で会見を開きました。立憲民主党が提出した「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案に対する修正案」についても説明しました。
逢坂政調会長は、さまざまな論点のある同法案が委員長職権により強行採決された過程に異議を唱えました。その上で、幼児教育無償化などをうたっている同法案に反対した理由について、「今回の法案で無償化されるのは一部に過ぎない。3~5歳の待機児童は無償化の対象にならず、幼稚園や保育園に通っている児童のみが対象になる。また、無償化される費用に食材料費や行事費、通園送迎費などは含まれていない。無償化される範囲が一部だけであるにもかかわらず、『幼児教育無償化』というのは看板に内容が伴っていない」と強調。
さらに、「幼児教育無償化の議論を進める前にまずは待機児童を解消するべき。無償化は基本的に望ましいものだが、保育の環境をきちんと整備することが先決。無償化をいちはやく進めた韓国では、保育士による児童虐待が増加している現状がある。日本においても保育士の待遇が悪く、保育士の数は慢性的に不足しており、保育の質は低下している。このような状況の中で無償化を進めると、保育の質の低下に拍車がかかるのではないか」などと述べ、修正案を作成した経緯を説明しました。
阿部議員は、同法案が子ども目線の政策ではないと指摘。「幼児教育の無償化は保育の質を低下させ、保育現場の崩壊を招きかねない危険性がある。立憲民主党としては、子どもの権利条約に則って、子ども中心の政策作りを行っていくべきだと考える。そのため、あえてこの法案に反対し、保育の質低下への警鐘を鳴らした」と述べました。