参院本会議で11日夜、参院の定数を「6増」する自民党の公職選挙法改正案が与党などの賛成多数で可決しました。立憲民主・民友会は、同法案は採決に値しないとして、討論終局後に退席しました。
退席後に福山哲郎幹事長は国会内で記者団の取材に応じ、「選挙制度は民主主義の根幹だ。突如出されてきた自民党議員の救済のための選挙制度改革案などまったく採決するに値しない。公正・公平であるべき(参院)議長が野党側からのあっせん、取りまとめの要請も拒否をした。こんなことはあってはならない。ご都合主義、党利党略、ゲリマンダー(特定の政党・候補者に有利なように選挙区の区割りをすることの意)そのものであり、言語道断と言わざるを得ない。今回の審議は瑕疵(かし)だらけで、審議時間も野党にはわずか(各党)45分しか与えられなかった。こんなことで選挙制度が変えられることになれば日本の民主主義は壊れ、選挙の信頼も失墜する。参院の権威を守るためにも、この選挙制度は実施してはいけない。採決に値しないと考え、今本会議場から残念ながら退席した」とコメントしました。良識の府と言われる参院で選挙制度に関する法案が強行に採決されたことには、「なんでも数の力で好きなようにできるなら民主主義は終わる」と断じました。
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案(いわゆる「カジノ法案」)の今後の審議については、同日の本会議で西日本豪雨災害対策に関する決議案を決議したことにも触れ、「政府は被災者の皆さんにしっかり寄り添うべきだということを、院で決議した直後の明日に、まさか内閣委員会を開いて災害対応の要である(石井)国土交通大臣を国会に張り付け、ギャンブルをするためのカジノ法案を審議するなんてことはあり得ない」と与党をけん制。被害はまだまだ広範囲に広がっているなか、国交大臣は災害対応に専念すべきだとあらためて指摘しました。