2018年6月4日
森友問題・財務省調査報告に「確認すべきことが噴出」と衆院予算委筆頭理事・逢坂議員
立憲民主、国民民主、無所属の会、共産の野党4党・会派の衆院予算委員会の理事・オブザーバーは4日夕、国会内で揃って記者会見を開催。この会見は、同日午後の同委員会理事会で学校法人「森友学園」に関する決裁文書の改ざん問題をめぐり、財務省が調査結果と関係者の処分を報告したことを受けたものです。
野党筆頭理事の逢坂誠二議員は、今回提出された財務省の調査報告書について「問題は何も解明されていない。今回さまざまな文書が出てきたことによって、あらためて確認をしなければいけないことが噴出している」とコメント。改ざん理由を「国会審議が相当程度紛糾するのではないかと懸念した。それを回避する目的で改ざんを進めた」としていることに触れ、「この前には『国会審議が紛糾するから虚偽答弁をした。虚偽答弁に合わせて改ざんをする』ということだが、ではどんな点が紛糾するのかと聞くと、『政治家関係者からの照会状況』だという。しかし今回の問題の一つの大きな発端は、政治家の関与に加えて安倍昭恵総理夫人の関与が大きく問われていること。そのことについて報告書を見る限り何も報告されていない。大きな疑問の生ずる調査結果報告だ」と批判しました。
加えて、「この問題を理財局に責任を押し付けているように思える。調査も、人事部局、官房があらかじめ『理財局がやった』ということを前提にやっている。官房の関与はなかったのかという、虚心坦懐に客観的な目線でやっているとは思えない」と指摘。福田事務次官のセクハラ発言問題では、担当弁護士の正当性は問われるものの、第三者を入れての調査であったことから、「今回は内部の調査であり、客観性、公平性も相当に疑問だ。調査の具体的な体制や聞き取り方法については(同日の理事懇のなかでは)すべて聞くことはできなかったが、今後予算委員会の集中審議などを求め、そのなかで問題を明らかにしていきたい」と述べました。
また、「職員の処分や程度が相当甘いのではないか」と懸念を示し、「いずれにしても、報告書の公表によって、解明すべき問題の新たなステージが開かれたと指摘せざるを得ない」と述べました。
報告書の評価をあらためて問われると、「客観性が全然保たれていない。また、文言を見ると、なるべく事象を具体的に伝えずに財務省に都合の良い言葉に丸め、一般論に押し込めようとしているので、リアルな実態が伝わるものになっていない」と指摘。今回、麻生財務大臣が1年間の閣僚給与分170万円を返納することになったことには、「この間改ざん、隠ぺい、廃棄、ねつ造、虚偽答弁が繰り返し行われている。その最高責任者である大臣の取るべき責任としてはまったく不十分だ。この1年間国会を愚弄し続けてきたわけであり、その最高責任者を自任するのであれば、自ら職を辞すのが当たり前だ」と断じました。
同委員会理事懇談会に合わせて提出された国交省の報告書については、「まだ目を通す時間がないのだが」と前置きした上で、「報告を受けた限りでは今までの説明を繰り返すだけで、具体的に値引きが適正だったのか等何らコメントがない。相変わらず不十分だ」と述べました。