枝野幸男代表は4日、国会内で新党代表選出選挙に立候補することを表明。記者会見を行いました。所信を表明するとともに、同時に決める党名については「立憲民主党」を提案しました。
枝野代表は冒頭、「さまざまな思いや、困難な事情を乗り越え、参加を決意された皆さんに感謝と敬意を表します。また、この間、自治体議員や党員・パートナーズ、サポーターをはじめ、党内外の皆さんに大変なご心配をおかけしました。それにも関わらず、多くの皆さんに直接、間接、さまざまな形で合流を後押しいただき、ご支援を賜りました」と感謝を述べました。
合流を決断した最大の理由として、「新型コロナウイルス感染症による国民生活の著しい危機に対し、日本の政治があまりに無力だったこと」を挙げ、「政治家は、いったいどこを見て政治をやっているんだ」との問いを正面から受け止め、国会で戦う力をより大きくし、政治の緊張感を取り戻し、国民一人ひとりの声に応える政治を実現することが目的だと語りました。
また、「これまで想定してきた選挙協力と連立政権構想だけでは、現在進行形で進む感染症危機を打開し、国民生活の苦境を救うにはとても間に合わないと判断せざるを得ない」と語り、「『政治は、ちゃんとあなたを見ている。政治は、あなたのぶつかっている現実の壁を知ろうとし、ともにその現実を変えるために存在している』と自信を持って、まっすぐ国民の皆さんに伝えられるよう、私自身が大きく踏み出さなければならない。そして、そうして始まる新党を引っ張っていかなければならない」と決意を述べました。
進めていく政治の最大の柱は、「コロナ対策を強力に推進し、新自由主義的社会から脱却して、互いに支え合い、分かち合う社会を築き、一人ひとりの命とくらしを守ること、暮らしの安心を取り戻すこと」だと語り、同時に「日本の行政のあり方が著しく歪められている」と指摘。2つ目の柱として「国民生活を不安定化し、公文書管理や立憲主義といった政府への基本的な信頼を深刻に傷つけた7年8カ月の負債を清算し、責任ある機能する政府を実現すること」だと述べました。さらに第3の柱として「多様性ある社会と暮らしを後押しすること」と挙げ、都市と地方の関係性のあり方、働き方、家族の形、個人の価値観が多様化する中で、「一人ひとりを豊かにし、日本全体の活力を引き出していくための政治のあり方が必要」だと語りました。
「立憲民主党」という党名を掲げて立候補することについては、「#枝野立て」との声援で、わずか20日間で野党第一党の立場に押し上げていただいたと振り返り、「3年前のあの劇的な経験は、私の政治家としての、また個人としての信念の核となっている」と語る一方、こうした個人的な経験からではなく、「単純な多数決が民主主義であると勘違いしてきた、まさに立憲主義に対する無理解と無視こそが現政権の明確な特徴」だと指摘し、「立憲民主」という党名こそ、「自由民主党とは明確に異なる根本的な姿勢と理念を表現するのに、最もふさわしい」と述べました。
最後に「新党に結集した仲間の皆さん、党派は違っても志を同じくする皆さん、ともに声をあげてくれる国民の皆さん、そして今は政治を諦めてしまっている皆さん。私の声がまだまだ届いていない皆さんにも、引き続き、いや、なお一層、呼びかけさせていただきたいと思います。『私には、あなたの力が必要です』」と訴えました。