2020年8月9日

【代表談話】長崎の原爆の日から75年を迎えるにあたって

立憲民主党代表
枝野幸男

 75年前の8月6日に広島に世界で初めて人類に原子爆弾が投下され、その3日後の8月9日長崎に、プルトニウム型原子爆弾が投下されました。あまりにも多くの命が失われた、二度と繰り返してはならない惨禍です。今年もこの日を迎えるにあたり、犠牲となられた全ての方々に改めて衷心より哀悼の意を表するとともに、残されたご遺族の方々、今なお健康被害などに苦しまれている方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

 立憲民主党は、綱領や基本政策において非核三原則の堅持や核兵器廃絶の推進を明記しており、核廃絶をめざす世界の皆さんと連携をとって、核軍縮・不拡散の流れを進めていくことをお誓いします。しかし、INF条約の破棄などの核保有国の動向や北朝鮮の核開発など、核軍縮・不拡散に逆行する動きが多々見られることには、強い懸念を抱かざるを得ません。

 政府は、今なお、米国の「核の傘」に入っていることを理由に、核兵器禁止条約に反対しています。また、北東アジアの安全保障を巡る状況は予断を許さず、核による脅威は高い緊張感を保ちつつ、我が国を脅かしており、国際的な環境整備が今後の大きな課題です。そのような中で、日本が核軍縮においてリーダーシップを発揮するには、米国との同盟関係を尊重しつつ、国際的な安全保障環境の整備を図る中で、核兵器禁止条約に参加するロードマップを描くことを模索すべきです。そのためには、まず何よりも、どのような条件が整えば批准に向かうことができるのか、国会の中で、与野党が胸襟を開き、真摯に話し合うことが必要です。
 改めて述べるまでもなく、核兵器は二度と使われてはなりません。その使用が如何に非人道的な行為であって、罪なき多くの人々にあまりにも大きな苦しみをもたらすことについて、今一度思いをいたす必要があります。

 本年は新型コロナウイルスの影響で、残念ながら各地の慰霊・式典に関係者の皆さまが多く集うことが難しい状況です。しかしながら、このような惨禍を二度と繰り返してはならないという人々の願いは、決して変わることはありません。立憲民主党は、75年という節目の年に、核廃絶に向けてより一層積極的に行動し、全力を尽くしていく決意を新たにいたします。

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