2020年7月26日
【岐阜】下呂市の令和2年7月豪雨災害状況を枝野代表が視察
枝野幸男代表は25日、岐阜県下呂市を訪れ、令和2年7月豪雨の災害状況を視察しました。視察には、今井雅之衆院議員、森山浩行衆院議員(党災害対策局長代理)、松田功衆院議員らが同行しました(写真上は、国道41号線の崩落現場で説明を受ける枝野代表ら)。
下呂市は人的被害はないものの、家屋半壊7棟、床上浸水47棟、床下浸水170棟(21日時点の集計)、河川と並走する道路が増水により複数箇所崩落している状況です。
市役所での意見交換では、小坂町門坂地内で国道41号線が500メートルにわたり崩落した状況や、小坂町の市街地では近くの谷川が詰まり行き場を失った土砂が堆積した状況、赤沼田地内の山腹崩壊の状況などの説明を受けました。山内登市長からは、(1)8日2時半に飛騨川の水位が過去最高位に急に達したことを受け深夜であったが市全域に避難指示を出したこと(2)自助共助が根付いている地域で復旧作業にも市民が協力的であり、自助共助の大切さを痛感したこと(3)温泉街に直接的な被害はあまり出ていないものの風評被害の影響が出ていること――などが語られました。
枝野代表からは、急峻な地域での避難方法や避難場所についての質問があり、市からは、段階に応じて避難指示を出していること、どうしても間に合わない場合には垂直避難を指示することになること、避難経路の確保に課題があること、公民館などが被害にあった場合には旅館などに避難を行うこと――などの説明がありました。また枝野代表は、がけ崩れなど従来の山からの災害のほか、豪雨などによる河川からの災害が全国的に多くなっていることから、再発防止や抜本的な見直しが必要であるとの考えが示されました。
その後、枝野代表らは、小坂町小坂町の土砂流入現場の復旧状況、小坂町門坂の国道41号線の崩落現場では復旧への取り組みについて説明を受けました。
視察後、記者団の取材に応じた枝野代表は、前日の福岡での視察に続き、同じ時期の同じ大雨による被害でも地域によって被害の状況や抱えている課題が大きく違うと改めて痛感したと述べ、今回の視察現場は、急峻な山に囲まれ、また河川が氾濫したことから「両方の面に備えなければならない」と語りました。
記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q:今回のように国道などに河川が近かったり、主要国道が大きな被害を受ける事が多くなっているが、避難のあり方や迂回路の確保について、どう考えているか
歴史的・相対的に幹線道路は安全度の高いところを通っているはずですが、それでも気候変動の影響などもあり、幹線道路や幹線鉄道も被害を受けるケースが多くなっています。
一度大きな被害を受けると長期にわたり広域に影響を与えるので、被害があっても対応できるようなバイパス機能、あるいは被害を最小化するための備えの両面が必要だと思ってます。
実際にはケースバイケースでやるしかなく、近くに、より安全度の高い道路なり路線を移すことができる地域と、今日拝見する限りでは、この41号線でそれをやろうとしても、ちょっと簡単なことではない。全国に同じようなリスクはたくさんあるので、一度総点検をしなければいけない。
Q:今回視察した被害を受けた地域は、下呂温泉という観光地と離れていると思いますが、災害の起きた県でも、一律にGoToトラベル、GoToキャンペーンが始まりましたが、どのように思われれるか
例えば、下呂温泉の場合は、下呂市で大きな被害と言いながら温泉地域は事実上まったく被害がない状態で、観光客を受け入れられるという状況にあります。一方で同じ下呂市内での被害ということで、一種の風評の影響が出ている状況であります。これはぜひメディアの皆さんも、同じ市内と言っても、特に町村合併が平成にありましたのでかなり広いですから、同じ市内でもここは少なくともこの洪水について安全なんですと、きちんと伝えていただきたいと思います。
GoToキャンペーンについては感染拡大の話との関係で、いまのタイミングにこういうやり方がいいのかという議論はありますが、洪水被害などを受けている周辺のところが、しっかりと観光産業を含め産業が成り立つ、下呂市全体として被害を受けていない温泉地域が市全体を支えていくような役割が求められていると思いますので、感染防止も含めて、皆さんにもきめの細かい行動をお願いしたいし、われわれもきめの細かい発信をしていきたい。