衆院厚生労働委員会で15日、政府提出の「地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案」と、関連法案として野党共同会派と日本共産党が提出した障がい福祉3法案(「介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案」「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部を改正する法津案」「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案」)の質疑が行われ、共同会派から川内博史、尾辻かな子、西村智奈美、山井和則各議員が質問に立ちました。

 野党提出の障害福祉3法案に対し西村議員は、介護、障害福祉従事者の賃金の改善、ホームヘルパー等へのセクハラ、パワハラ防止、また、食事提供加算の廃止をしないこと、送迎加算については不利な内容の算定基準を定めてはならないこと、職場での介護や通勤における移動中の介護を重度訪問介護の対象とすることなど、非常に重要な、今必要な内容が多く含まれていると評価した上で、「賃金の改善、それから介護現場、障害福祉現場で働く皆さんの献身的な御尽力に報いるような対応を国会としてとるべきではないか」と提起しました。

 法案提出者の立憲民主党の山花郁夫議員は、介護や障害福祉の従事者は重要な役割を担っているにもかかわらず他の産業、他の業種と比べて賃金が低い水準にあると指摘。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「自分が感染するというリスクに加え、自分がうつしてしまったら大変だという思いのなかで、緊張感を持って仕事をしている。現場で人材確保が厳しさを増しているなかで、介護や障害福祉従事者の職業生活の安定と離職の防止を図る観点から、介護、障害福祉事業者の賃金の引上げは早急な対応が必要」だと述べました。野党提出の人材確保法案では、ケアマネジャーを含めて、現場の介護職員と管理部門の職員全体を対象に、平均1人当たり月額1万円賃金引き上げを想定した給付金の支給を想定するとともに、介護現場でのハラスメントの防止を念頭に、事業者に対して適切な就業環境の維持についての努力義務を課すことによって、給与以外の面での処遇改善についても規定をしていると説明。「お金だけがその職業を評価するものではないと思うが、こういう状況のなかで本当に頑張っておられる方々にエールを送るという意味でも、ぜひ各党ご議論いただき、ご賛同いただければと思う」と呼びかけました。

 西村議員はまた、政府提出の社会福祉法改正案について、高齢分野や障害、子ども、生活困窮などの補助金が束ねられ、一体的な執行を行うことができる仕組みになることには一定の評価をした上で、事業分野によって支援に偏りが出るのではないかと懸念を表明。支援の十分なすり合わせや調整を行うなど、総合事業にふさわしい形での実施体制を担保できるよう、厚労省としての関わりを持ち続け、予算を確保するよう求めました。

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