参院予算委員会で23日、「安倍内閣の基本姿勢」に関する集中審議が行われ、「立憲・国民.新緑風会・社民」から福山哲郎、福島みずほ、芳賀道也、足立信也各議員が質問。立憲民主党の福山哲郎議員は(1)新型コロナウイルス感染症対策(2)森友学園公文書改ざん問題――等について取り上げ、安倍総理ら政府の見解をただしました。
質問後に国会内で記者団の取材に応じた福山幹事長は、安倍総理が委員会の質疑のなかで東京オリンピック・パラリンピックの開催について「アスリートのことを第一に考え延期の判断も行わざるをえないと考えている」と発言したことに、「延期という選択肢の場合にはいち早く決定して欲しいと申し上げた。それに対しては『努力する。一日も早く決めたい』と言われたので、調整等大変だとは思いますがその方向でやっていただければと思う」と述べました。
新型コロナウイルス感染症については、「19日の専門家会議、20日の政府の対策本部の状況を見ても、(2月24日に専門家会議が公表した見解)『これからの1、2週間が感染拡大の瀬戸際』という状況が全く変わっていないどころか、若干感染のリスクが拡がっているのではないかと思ったので、そういう観点で質疑をさせていただいた」と振り返り、「総理からは、瀬戸際は変わらないし感染のリスクも高まっている、その通りだという答弁をいただいたが、しかしそれでは何故、学校一斉休業とイベントの問題については解除するのか、ということについては明確な回答はなかった」と政府の対応を問題視しました。
学校一斉休校については、萩生田文部科学大臣から「国内の感染状況は爆発的な感染拡大には進んでいないため原則としてすべての学校が再開されることとなる」との答弁があった一方、リスクとの兼ね合いのなかでどういう形で開校していくかについてはまだ見えないとして、政府の対応を注視していく考えを明示。特に首都圏、大都市部、人口の多いところはより感染のリスクが高いと専門家会議で言われていることから、「首都圏等の学校は、満員電車で通うというリスクに晒すことにもなるので、オーバーシュートのリスクがある中でどういう対応をするのか。例えば時間差で登校するのか等、いろいろな工夫が要ると思う。そこについては全く見えないので、われわれ注視をしていきたい」と述べました。
また、総理が大きな決断をした期間の経済的な損失については、「非常に冷たい、現場の意向とは合わない答弁が続き、正直言って失望した。自らの大きな決断で大きな損失を被った国民、事業者、個人に対して、借金しろ、借金しろ、それならいいだろうと言わんばかりの発言は、決断をした総理の割には無責任な対応だ」と断じ、経済の厳しい状況についてもっと注視していただきたいと注文をつけました。
森友学園への国有地売却をめぐって公文書が改ざんされた問題では、自殺した近畿財務局の赤木さんの手記が公表されたこと受け、赤木夫人の代理人の方とも直接会って話を聞いたことを踏まえて質問に立ったと述べ、「安倍総理、麻生財務大臣ともに、非常に冷たい答弁が続いた。自らの言葉で亡くなられた赤木さんへの思いを語るわけでもなく、ある意味保身と抽象的な文言で、責任の所在がはっきりしない財務省の報告書をもって事実関係を明らかにしたというのは、いささか通らない話だと思う」と指摘。一連の経緯をまとめた赤木さんの手記と財務省の報告書の内容には大きな齟齬があるとして、あらためて参院予算委員会で森友問題に関する集中審議の開会、公文書改ざんに関わった財務省職員の参考人招致、これまで訴追の可能性があることを理由に答弁を避けてきた佐川元理財局長の再喚問を強く求めました。
また、再調査については後ろ向きであり、弔問についてはご遺族の意向と言いながら、ご本人に確認もしていないなかでの同日の委員会の不誠実な答弁だと問題視し、「安倍政権の本質を見た思いだ。コロナが落ち着いた時点で、安倍総理大臣と麻生財務大臣にはこの問題の責任をとって潔くお辞めをいただきたいと、本当に心の底から思う」と述べました。