参院本会議で6日、「所得税法等の一部を改正する法律案」の趣旨説明質疑が行われ、会派を代表して宮沢由佳議員が質問に立ちました。同法律案は、「オープンイノベーションの促進に係る税制上の措置や連結納税制度の抜本的な見直しを行うとともに、経済社会の構造変化を踏まえ、全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制の実現やNISA(少額投資非課税)制度の見直しを行う」ものとしています。

 宮沢議員は質問の冒頭、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々への哀悼の意を示すとともに、感染され療養されている方々にお見舞いの言葉を述べました。さらに感染拡大防止や感染者治療のため日夜尽力されているすべての方々に感謝と敬意のを表しました。

 法律案について、(1)個人所得課税について扶養する子どもの人数を控除額に反映しないのはなぜか(2)NISA改正について(3)オープンイノベーション促進税制は、投資したらすぐに減税となるかなり特殊な制度、このような制度にしたのはなぜか(4)税の再分配機能強化を図るためにも、金融所得の総合課税化や税率引き上げなどを導入すべき(5)子育て支援税制について、もう一歩進めて、やむを得ず公費の支援のない認可外保育施設やベビーシッターなどを利用する場合、費用の一部を控除対象とすべき(6)軽減税率制度について早期に抜本的見直しを行うつもりはあるか(7)逆進性対策として、軽減税率の代わりに、給付付き税額控除を検討してはどうか(8)インボイス制度により免税事業者が取り引きができなくなる恐れがあるので、まずは導入を中止し、事業が継続されるために必要な取り組みを、事業者の意見を反映しながら議論すべきでは――などただしました。

 また、今回の改正案は今の時代に求められる税制のあり方についての視点が欠如しているとして、(1)金融所得課税や法人課税をはじめとする不平等な税制の見直し、(2)消費課税のあり方、(3)所得再分配機能の強化やジェンダー平等推進の観点からの控除全体の見直し――など、「税制の全体像を見据えた抜本的な改革からは程遠い、小手先の改正内容」だと指摘。「私たち大人のツケを回すことなく、格差のない多様性を認め合う未来を子どもたちに引き継いでもらえるように、これからの税制を改正すべき」と訴え、質問を終えました。

【参院本会議】20200306「所得税法等の一部を改正する法律案」(予定原稿)宮沢由佳.pdf