安住淳国会対策委員長は2日夕、自民党の森山裕国会対策委員長と会談。新型コロナウイルスによる肺炎の水際対策を含め、政府が万全の対策を取る必要があることから、2020年度予算案が審議入りする明日からの衆院予算委員会で、(1)感染症対策の責任者である厚生労働大臣の委員会からの離席を認める(2)昼の理事会において感染症対策の進捗状況等について厚生労働省から報告を受ける――などを合意しました。通常、予算委員会の基本的質疑は総理と全閣僚出席のもとで行われ、異例の措置となります。

 会談後、森山国対委員長と共同で会見を開いた安住国対委員長は、感染症であり国会としても政府側に配慮が必要だとして、昨日からの野党間の調整を終え、本日野党側から与党側に申し入れ、協議をさせていただいたと経緯を説明。「今回の対応は極めて異例でありますけれども、立法府としての最大限の配慮を行うことで政府側に万全の対応を望むものである」と語りました。

 申し入れし合意した内容は次のとおりです。

 中国で発生した新型コロナウイルス肺炎は、中国国内はもとより、我が国にも大きな影響を与え、感染者は現在、増加の一途をたどっている。
 わが国の国民の暮らしや経済にも深刻な影響が出始めており、今後の広がりを懸念する国民も多い。こうした中、明日から国会では来年度予算案の基本的質疑が始まろうとしている。現下の状況は、感染症の拡大という極めて異例な事態であり、こうした事案の対策には、水際対策を含め、政府が万全の対策を取る必要がある。
 野党は本日、政府与党に対し、事案の重大性に鑑み、極めて異例なことではあるが、以下の対応をとることを決定した。

1.基本的質疑において、質問の通告のあるときを除き、感染症対策の責任者である厚生労働大臣の委員会からの離席を認めることとする。
2.この3日間は、昼の理事会において、この感染症対策の進捗状況等について、厚生労働省から報告を受けるものとする。
3.今回の対応は今後の前例としない。

 また、記者から与野党の国対委員長が揃って発表する狙いについて問われると、安住委員長は次のように語りました(要旨)。

 国民に蔓延するウイルス性の肺炎は感染症で、中国見ていると武漢に限らず、わが国から行っている方々が非常に多く住んでいるような地域での感染も目立ってきました。一都市だけで収まるのであればいいのですが、それを超えてかなり広がってくると反射的にわが国の関係者も増えてくるということは事実です。
 そうした点で政争の具にこれをまずしないということは、やはり確認をしないといけないと思っておりました。
 もちろん政府の対応について厳しくただしていくことは私どもの責任ですから当然やりますが、森山国対委員長と話をしたのは、水際対策が時間との闘いの中で、この一週間の位置づけは、われわれとしても立法府全体で配慮しないといけないという判断に至りました。異例ではありますが、こうした与野党の国対委員長間でのある意味で重い取り決めをさせてもらうということになった。