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2019年6月5日

【参院本会議】「児童虐待防止法案」が審議入り 石橋議員が質問

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 参院本会議で5日、政府提出「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案」が審議入りし、立憲民主党・民友会・希望の会を代表して石橋通宏議員が質問に立ちました。

 同法律案は、児童虐待防止対策の強化を図るため親権者等による体罰の禁止、児童相談所(児相)への医師等の専門職の配置、児相の管轄区域に係る参酌基準の創設、児童虐待を受けた児童の保護等のために協力すべき関係機関の明確化等の措置を講ずるものです。

 立憲民主党など野党は、衆院の審議で与党と修正協議を行い、虐待した保護者への支援プログラムの実施を児相の努力義務とする規定や、子どもが管轄外に引っ越しても切れ目なく支援できるよう、移転先の児相や関係機関と必要な情報を共有することなどを盛り込んだ修正案に賛成、全会一致で可決し参院に送付されました。

 また、(1)一時保護について、受け皿の早急な整備と子どもの生活環境に配慮した環境改善(2)乳幼児健診などで定期的な子どもの安全確認の実施(3)児童福祉司1人の対応が40件を超えないための財源確保(4)婦人相談員の専門性の確保と待遇改善(5)中核市と特別区への児童相談所の設置を目指した十分な支援(6)子どものアドボケイト(代弁者)制度の導入に向けた検討――等24項目にわたる付帯決議が付いています。

 石橋議員は同法案をめぐって冒頭、昨年3月に東京都目黒区で5歳女児が父親から虐待を受けて死亡した事件を受け、6野党合同で「児童相談所緊急強化法案」を通常国会に提出(2018年6月)して、児童福祉司の増員や関係機関の連携強化などの対策を求めたことにもかかわらず、与党は審議すらしようとせず、今年1月には千葉県野田市の小学4年生の女児が命を奪われたことにあらためて言及。「昨年の段階でなんらかの法改正が実現していれば、事件を防ぐことができたかも知れないと思うと、痛恨の極みだ。政治の不作為が、救えるはずの命を救わなかったのだとすれば、これ程までに立法府の責任を重く感じることはない」と述べ、「私たちは、もう二度と、悲惨な児童虐待死を発生させてはならないし、児童虐待の撲滅を実現していかなければならない」と力を込めました。

 その上で、(1)児童虐待増加の原因(2)加害者への支援・回復プログラムの抜本的効果の必要性(3)児童福祉士の増員と専門性の強化、処遇改善の必要性等(4)親権者による体罰禁止(5)児童の権利の保護、特に意見表明権の保障(6)児童虐待対策と配偶者へDV対策との連携の必要性(7)医療との連携強化の必要性――について質問。野田市の事案では、助けを求めた声が周囲の大人たちに黙殺されたとして「二度と、このようなことを起こさないためにも、子どもの意見表明権を具体的に保障する仕組みが必要不可欠だ」と主張。国連の子どもの権利条約では、「18歳未満の子どもも大人と同じ権利の主体と位置づけ、暴力や搾取から守られる権利とともに、自由に意見を表明する権利も保障する」としていることに触れ、「衆院の修正では、児童の意見を聴く機会の確保や、児童の権利を擁護する仕組みの構築が検討規定として明記さたが、具体的にどのような制度を検討していくのか」と安倍総理の見解と、早急な制度構築に向けた決意を尋ねました。

 石橋議員は最後に「党は、児童虐待死の根絶と、児童虐待そのものの撲滅に向けて、子どもの権利が守られ、すべての子どもたちが大切に育まれて、健やかに成長できる環境を社会全体で創り、確保していくために、これからも全力を尽くしていく覚悟だ」と表明し、締めくくりました。

【参院本会議】「児童虐待防止法改正案」に対する質問原稿(案)石橋通宏議員.pdf