参院本会議で10日、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案」の趣旨説明・質疑が行われ、立憲民主党・民友会・希望の会を代表して風間直樹議員が質問に立ちました。

 本改正案における政府提出理由は、「金保険機構の金融機能早期健全化勘定に属する剰余金を活用するため、金融機能早期健全化業務の終了の日前における国庫納付について定めるとともに、金融機能早期健全化勘定から金融再生勘定への繰入れをすることができることとする必要がある」となっています。

 風間議員は、早期健全化勘定の利益剰余金1.6兆円のうち国庫納付される8,000億円が消費税率引き上げに対応するための「臨時・特別の措置」の財源として活用されることが想定されていると指摘し、「『臨時・特別の措置』の財源の約4割をこの8,000億円に頼る格好となっている。『臨時・特別の措置』は本法案による利益剰余金の国庫納付なくしては成立せず、このような綱渡りの財政運営には疑問が生じる。このタイミングで国庫に納付する目的は何か」と本法案の意図を問いました。

さらに、(1)金融再生勘定の財務状況について確実な見通しが立っていない状況の中、今年度国庫納付をすることの妥当性(2)金融再生勘定の財務が深刻な状況となり、早期健全化勘定に留保している利益剰余金を充てても欠損金が生じるような事態になった場合の対応(3)利益剰余金の金融再生勘定以外への繰り入れ要否の検討状況――等についても質問。

 風間議員は、「景気動向指数は下方への局面変化を示している。仮に景気が後退局面に入ったとすると、金融再生勘定や早期健全化勘定が抱えている処分は進まず、いつまで経っても金融再生勘定や早期健全化勘定が終了する日を迎えることがないという状況に陥るのではないか」と指摘し、質問を終えました。