枝野代表は26日、国会内で定例会見を開きました。
枝野代表は冒頭、統一地方選の結果について、「最前線で有権者の皆さんの暮らしの声に寄り添う自治体議員の仲間を増やし、草の根の声を受け止める地方組織を確立するという上で大変重要な戦いであった」と振り返りました。
そして、早期の解散総選挙の可能性が高まってきたとして「参院選挙に加え、衆院の早期解散に備えた野党5党派間の連携をこれまで以上に前に進めてまいりたい」と発言。各野党との間でそれぞれ党首会談を開き、衆院小選挙区における候補者の一本化、参院一人区の候補者調整の促進等について、連携の強化を提案したことを説明しました。
その他、次の4点について発言しました。
(1)今夏の参院選挙において届け出る略称をひらがなで「りっけん」としました。
(2)同日の持ち回り常任幹事会において、打越さく良(うちこし さくら)さんを次期参院選挙・新潟選挙区の推薦候補者に決定しました。
(3)5月3日から5月6日にかけて「列島縦断大作戦」( #GW列島縦断大作戦 )にて全国13都市の遊説を予定していることを報告しました。(詳細はこちら→ https://cdp-japan.jp/news/20190425_1603 )
(4)「立憲ビジョン2019」策定に向けたアンケート調査への参加よびかけ。(詳細はこちら→ https://questant.jp/q/CDP_PCS_P001 )
また、記者からは次のような質問がありました(一部)。
Q:国民民主党と自由党が合併、そのことの受け止め。会見で「枝野代表が決断して各野党すべてに声をかけて結集を図るのがベストだ。立憲民主党と共に野党の大きな塊を作るべき」との考えを示したことについて。
国民民主党と自由党の合併については、他党のことですのでコメントする立場にありません。
小沢先生がどういう趣旨でおっしゃられたのか詳細はわかりませんが、その前に行われた自由党代表としての小沢先生との会談でも、統一名簿などについてのご提起をいただきましたが、難しいということでお断りをさせていただいております。立憲民主党はいわゆる離合集散、他党との合併を行わない。それから国政選挙において比例選挙を戦うということは決めており、昨日の党首会談でも小沢代表にお伝えしております。
また、いわゆる合従連衡を行わない、あるいは(統一)比例名簿等を考えないということについては、本日会談を行った共産党さん、社民党さん、あるいは野田代表も同じお考えであると承知しております。安倍政権にストップをかけるため、野党の勢力を最大化させたいという気持ちは小沢代表と思いは一緒でございますが、そのためには5党派で一致できる点を最大化させることが重要であると思っています。政党の合併や統一名簿についての考え方は国民民主党さん以外の政党、わが党を含めて、見解が異なっておりますので、5党派で一致することはできないと思っております。
そこにエネルギーを注ぐのではなく、5党派の意見が大筋で一致している参院の1人区の一本化、そして衆院小選挙区における候補者の一本化がどこまでできるかといったことについて、大きな成果をもたらすための努力を進めていくことが現実的であるし効果的であると思っています。
Q:今回の党首会談は、数合わせだという声もあるが
立憲民主党は、わが党の理念・政策をブレることなく参院選挙も、早期衆院解散総選挙があっても、わが党としての理念・政策を高く掲げて選挙に臨みます。これは全く変わりません。いわゆる離合集散にくみすることはありません。まったく変わっておりません。
一方で政治は理想を求めながら最悪を避ける営みであります。我々はその理想をブレさせることは一切ありませんが、一方で日本の、特に1人を選ぶ選挙制度において、最悪を避ける選択を有権者の皆さんに可能にするという責任も負っています。実際にフランスでは、1人を選ぶ国政選挙では1回目の投票で過半数を得た候補者がいなければ必ず決選投票を行います。つまり1回目の投票では、それぞれの理想に近い候補者に投票していただく。ただ、それで過半数を得た候補者がいない場合には、最悪を避けるという選択をできるために、上位2名による決選投票の機会を有権者に持っていただいています。日本では、そういう制度がとられていませんので、有権者の皆さんのなかにかなり多く安倍政権をこれ以上強くしてはいけない、継続させてはいけないという、この最悪を避けるための選択をしたいと求めている方が相当な程度いらっしゃる。そうした皆さんの期待に応える、最悪を避けるための努力を理想をブレさせてはいけないということの中で、やっていくのは当然の責任だと思っています。
Q:間もなく天皇陛下がご退位、新天皇陛下のご即位を迎えますが、安定的な皇位継承に向けて、退位の制度化や、女性宮家の創設、女系天皇などいろいろな考え方があると思いますが、どういった観点で今後議論を進めていくか、時期などは
わが党は、安定的な皇位継承に向けたプロジェクトチーム(PT)を設置し、すでに濃密な議論を進めておりますが、まさに静かな環境で議論を進めていくべきでありますし、党派性をかざして何かアピールするようなテーマではないと思っておりますので、PTの議論を静かな環境で進めていきながら、各党会派にも非公式にいろいろと輪を広げていくことを進めていくことだと思っています。
(女性宮家、女系天皇については)きちんと議論をすべきであると我々は思っています。ただ静かな環境で議論していくことが重要だと思っていますので、それ以上のことは申し上げるべきではないと思っています。
Q:参院選挙の略称「りっけん」について、今回、ひらがな「りっけん」にされた理由と、前回の衆院選では「民主党」だったが、国民民主党が「民主党」で登録すると発表、「民主党」を避けた理由は
後者については別に避けたわけではない。1年半前の状況では「立憲」という言葉が、―その前から立憲主義と私など言い続けてきたわけですが―、まだ耳にも目にも馴染みでないという状況のなかで、「民主党」と書いてしまわれる方が多いのではないかと心配がありましたので、略称「民主党」という形にさせていただきましたが、1年半活動させていただく中で、「立憲」という文字も言葉もかなり皆さんに知っていただいているという自信を深めております。そうした状況の中で略称をどうするかということでございましたので、字面で見る「立憲」という文字と、音で聞く「りっけん」とどちらも認知いただいていると思うのですが、このつながりは必ずしも完璧にできているわけではないのではないかと不安がありましたので、もともと「立憲民主党」という漢字の正規名称にはふりがなが振られていますが、大きく略称で「りっけん」とひらがなで書いていただくと耳から「りっけん」に馴染んでいただいている方と、視覚的に馴染んていただいている方と両方にしっかりと認識していただけるのではないかと、こういう意識です。
Q:報道機関では「立民」としているところもあるが違和感があるか。また「民主党」と書かれた場合の票の按分については
後者は略称届け出をしている政党が現状、国民民主党だけであれば、国民民主党の票になると確認しています。
前者は、我々は自分たちで略して言う時には「立憲」としか言ってないと思っています。自民党や社民党はご自身でも、自民党、社民党とおっしゃっているのに対して、我々は自分たちで「立民」と言っているケースはほとんどないのではないでしょうか。ちなみに(票として)有効です、「立民」は。このままいけば有効になる可能性が高いと思います。
Q:同性婚について、法的に認める民法の改正案を準備されているかと思うのですが、この法案を出す意義は
意義というか、当たり前だと思うのですが。たまたまパートナーになりたいと思う相手が、男性にとっての女性であったり、女性にとっての男性であったりするわけではない方がいらっしゃって、そういうことで法的な不利益を受けること自体、明らかに不合理ですから、当たり前のことをしようとしているだけだと思います。
Q:政治の世界において平成とはどういう時代だったかの総括と、これから令和のあたらしい時代になりますが、政治の世界でどういう時代にしていきたいか、立憲民主党の役割は
政治となると、平成5年から当事者ですので、しかもその時代が間もなく終わろうとしている同時代的になにか第三者的な評価や評論をする立場ではないのではないか。
ただ、どういう社会であったのかというと、それは昭和20年からスタートした右肩上がりの時代が、昭和が終わる頃、完全に終わった中で、人口減少、高齢化という時代に入っていく過渡期の苦しみのなかで、それを何とか乗り切っていく努力をしてきた30年間だったのではないか。
いよいよ令和の時代は、人口減少と高齢化という、まさに「化」ではなくて、多くの高齢者と人口減少が社会の大前提になる時代がしばらくの間、間違いなく続いていくので、それに対する答えを出していかなければならない、そういう時代だし、答えを出していきたいと思っています。
まさにその答えが、「多様性を認めあい、困った時に寄り添い、お互いさまに支え合う社会」だと思っています。