衆院厚生労働委員会で5日、「産後ケアセンターの設置の推進のための児童福祉法及び社会福祉法の一部を改正する法律案(産後ケアセンター設置法案)」の趣旨説明を西村智奈美議員が行いました。
本法案は、母親の身体的回復と心理的な安定を促進し、母親自身がセルフケア能力を育み母子とその家族が健やかな育児ができるよう支援するための施設として「産後ケアセンター(=街なかの実家)」を法制化するものです。
西村議員は趣旨について次のように述べました。
近年、核家族化や晩婚化の進行によって、出産後の不安定な時期に親等の身近な人の助けが得られない母親が少なからず存在しております。また、産後の育児を家庭のみに任せるのではなく、生活している地域でさまざまな支援を行い、母親の孤立を防ぐことが重要な課題となっております。
現在、一部の地方自治体においては、育児の不安が最も大きい退院直後の母子に対し、実家のように安心して過ごせるような心身のケア等を行う取り組みが『産後ケアセンター』等の名称の施設で実施されています。しかし、こうした施設は、法律上の施設として位置付けられていないこともあり、地方自治体以外の取り組みも限られており、全国的な普及が課題となっております。
そこで、『街なかの実家』とも言える『産後ケアセンター』を法制化し、その設置を推進することにより、母親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親が孤立することなく各種支援が受けられ、母子とその家族が健やかな育児に臨めるようにすべきと考え、本法律案を提出いたしました。
概要については以下のとおり説明し、速やかにご審議の上、ご賛同いただきたいと与野党議員に呼びかけました。
(1)児童福祉法上の児童福祉施設に産後ケアセンターを追加。
(2)産後ケアセンターは、原則として出産後四月以内の女子であってその行う乳児の養育について援助を必要とするもの及び当該乳児を短期間入所させて、これらの者の心身の健康を保持させるとともに、養育に関する相談、指導、助言その他の援助を行うことを目的とする施設とする。
(3)産後ケアセンターを経営する事業を第二種社会福祉事業とする。