2018年11月16日
憲政史上例を見ない暴挙に衆院法務委員長の解任決議案を提出
辻元清美国会対策委員長は16日、葉梨衆院法務委員長の解任決議案提出を受け、記者団の取材に応じました。立憲民主党は同日16時50分に法務委員長葉梨康弘君解任決議案を単独で衆院に提出しました。
提出理由については、「公正かつ円満な委員会の運営」に努めるべき立場でありながら、「15日は裁判官・検察官の給与法質疑と採決、与野党合意のない一般質疑、入国管理法改正案の趣旨説明、与党の質疑まで『5階建て』の日程を決めるという憲政史上例を見ない暴挙に出た」「入国管理法の改正は、わが国の在り方を根本から変えかねない内容が含まれ、慎重かつ十分な国民的議論が必要であり、政府には十分な資料の公開と丁寧な説明が求められるにも関わらず、法案質疑に不可欠な技能実習生に関する調査データの開示もなされず、人材不足の見込み数の積算根拠となるデータの説明も全く不十分であり拙速な審議など断じて許されない」「このような状況にも関わらず、入管法改正案の質疑を強行するなど、公平であるべき委員長の委員会運営として論外であり、言語道断である。8月に出された大島理森衆院議長の談話にもある『国民の負託に十分に応える立法・行政監視活動』に資するどころか、委員長自らがこれに真っ向から反する行動をとっていると言わざるを得ず、断固として容認できない」としています。
辻元委員長は、同日の衆院法務委員会の理事懇談会で外国人技能実習制度についてのデータの集計ミスが明らかになったとして、「法務省は技能実習生の実態をねじ曲げるようなことを何年にもわたってやってきた可能性もある。そうしたものを出しておきながら今日から強行に入管法改正案についての実質審議をするのはおかしい。審議に資すると言っていたデータに間違いがあったのだから、しっかりと今の技能実習生の実態を把握したうえできちんと審査していく、ということで、今日の審議はあまりにも拙速であり無謀だと審議をしないよう求めてきた」と述べ、それにもかかわらず強行したことから委員長の解任決議案提出に至ったと説明しました。
立憲民主党単独での提出になったことには、データのミスが明らかになったにもかかわらず与党が強行したため、時間的に間に合わなかったと述べました。
与党が強行に委員会を開いたことには、「情けない。立法府の役割は行政の下請けでも、ベルトコンベアのように行政が出してきた法案を無修正で疑いを持たず、間違いがあっても黙認して通していくい機関ではない。自民党は平気でまだやってる。立法府としての自殺行為であり反省していない」と厳しく非難しました。