2018年8月28日
障害者雇用水増し問題で、野党側が閉会中審査を求める 衆院厚労委理事懇
衆院厚生労働委員会の理事懇談会が28日午後、国会内で開かれ、障害者雇用の水増し問題に関し、同日の関係閣僚会議で配布された資料が示されました。これを受け、野党側は同委員会の閉会中審査を開くよう要請、与党筆頭理事の自民党の田村議員は、「党に持ち帰って国対と相談する」と述べるにとどまりました。
理事懇終了後に記者団の取材に応じた野党筆頭理事の西村智奈美衆院議員は、この問題に関しては全府省庁に及び、衆参両院でも水増しがあったことが明らかになっていることから、野党側は、より客観性・正確性を持った調査を行うためにも閉会中審査を開くよう要請したとコメント。あわせて、今後障害者雇用枠をどうやって確保していくかについても、(障害者権利条約にある)『私たちの事を私たち抜きで決めないで(Nothing About us without us)」のスローガンを踏まえ、障害者団体など当事者の声を聞ける形で開いてほしいと求めたと述べました。
西村議員は、政府が10月をめどに再発防止策などを取りまとめる方針を示し、自民党は「調査報告を受けた上で閉会中審査を開くべき」との考えを示していることに、「政府だけに任せておいて本当に大丈夫なのか不安だ。厚労省に任せ、各府省の善意の取り組みに任せていたがゆえにこのような結果になった。問題の本質を明らかにしていくためには、より国民が注視する下での調査が必要だ。閉会中審査によって内容を明らかにしていくことは大変重要だ」と指摘。「この問題は与野党が対立する話ではないと思っている。現状をどう分析し、なぜこのような事態になったのかをきちんと明らかにした上で、今後障害者の皆さんを含めて誰もが働きやすい環境を作っていくことが第一。そのために私たちは閉会中審査が必要だと思っている」と強調しました。
政府は同日の関係閣僚会議で、国の33行政機関を対象とした昨年6月1日時点の再調査結果を公表。27機関で計3460人の障害者数の不適切な参入があったことへの受け止めをあらためて問われると、西村議員は「政府は非常に大きい問題だ。民間企業に対しては納付金等でペナルティを課しておきながら、霞が関はペナルティがないのをいいことにずさんな報告、ずさんな管理をしていた。驚きの一言に尽きる。このような障害者雇用に非常に後ろ向きの姿勢を国が示してしまったことは、本当に大きな問題だ」との認識を示しました。