福山哲郎幹事長は5日、国会内での記者会見で、財務省が4日に公表した森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざん問題の調査報告書について、「非常にお手盛りの、結果として曖昧模糊とした調査報告書が出てきたと言わざるをえず、非常に残念かつ腹立たしい思いで拝見した」と発言。記者会見で国会答弁の訂正ではなく、文書の改ざんや廃棄に至った理由を問われた麻生財務大臣が、「それが分かれば苦労しない」と発言したことに触れ、「それを明らかにするために調査をしたのではないかと呆れ果てた」と述べました。
そのうえで報告書には、安倍総理が2017年2月17日、国会で「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」と発言した後のことだとして、「上記答弁以降、総理夫人の名前が入った書類の存否について確認がなされた。その他の政治家関係者からの照会状況に関する記録の取扱いについて相談がなされた」「総務課長は、政治家関係者との応接録を廃棄するよう指示されたものと受け止め、その旨を国有財産審理室長、さらには近畿財務局の管理部長に伝達した」などと記載されていることから、「誰が読んでもきっかけは総理大臣の発言だ。総理大臣の発言がなければ確認もしないし照会もしていないはずだ。まさに語るに落ちるとはこのことだ」と指摘しました。
また、現在の理財局長、理財局次長、当時の事務次官、当時の大臣、官房長は「一連の問題行為を全く認識していなかった」と、当時の大臣を含め幹部はまったく認識していないなかで、それぞれ現場の担当課長らが勝手に受け止め、認識し、廃棄・改ざん・隠ぺいしたと結論付けていることに、「これだけ幹部の責任逃れを徹底して、責任を取らない状況で財務省は組織として信用されるのか。大臣が責任を取らずに組織として成り立つのか。情けない思いで報告書を見た」と述べました。
参院選挙の「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区を維持し、選挙区と比例代表で定数を計6増やす自民党の選挙制度改革案については、自民党は7回にわたる参院改革協議会専門委員会(選挙制度)での議論ではまったく提案がなかったにもかかわらず、突然参院改革協議会で提案がなされたことから、手続き、やり方に問題があると抗議の意を表明。専門委員会に差し戻して各会派に提案すべきと指摘する一方、提案内容については「是非についてコメントする状況ではない」との認識を示し、党内で共有し意見を聞く考えを示しました。