2018年5月30日
党首討論後、「だらだらしゃべる総理に、今の党首討論の歴史的意味は終えた」と枝野代表
枝野幸男代表は30日、党首討論が行われた後、記者団の取材に応じました。
枝野代表は、「2つの意味で予想通りだった」「意味のないことをだらだらとしゃべる総理を相手に、今の党首討論という制度の歴史的意味は終えたことが今日の討論を通じてはっきりした」「聞かれたことにまったく答えていない」と語りました。
まったく答えていない点について、(1)今まで関係があったら辞めると言っていた話を、金銭の授受・贈収賄にあたるというような話に変えたのかと聞いたが、変えたとも変えてないとも言っておらず、金銭の授受が無ければ良いともだめとも言っていない(2)森友学園の新たな文書が出てきても、総理を通じての安倍昭恵氏の伝聞証言に基づいて否定しているだけ――などを挙げ、「総理として、本当に情けない姿を残念ながら国民の前に明らかにすることになった」。さらに「聞かれたことには答えずに、余計なことをべらべらしゃべって、質問の機会を妨害するという卑怯な姿勢。こんな卑怯な総理で良いのか」と語りました。
歴史的意味は終えたという党首討論の制度については、「こうした卑怯な総理大臣が出てくること自体が想定されていない。また、いわゆる2大政党的なものを想定してたものですから、2重の意味で現状とまったく合っていない」と語りました。また、「片道方式(答弁者側の時間を含まず、質問者側の時間が持ち時間として計算される方式)でやるとか、そういう工夫がないと不可能」とも述べました。
さらに「少なくとも政府・総理大臣の立場では、聞かれたことに正面から答える。答えられないなら、答えられないでもいいから、正面から答える。聞かれてもいないことをだらだらだらだら時間を潰し、あるいは聞かれていないことを答えて、答えたふりをする。こうしたことを止めないと、止めさせないと、まっとうな議論はできるはずはありません」と厳しい口調で指摘しました。
愛媛県に総理と加計学園理事長の加計孝太郎氏が会っていないにも関わらず会っていたと報告した同学園に抗議すべきだが、安倍総理は「政府としてコメントする立場でない」と答えたことに対しては、「総理大臣の名前を勝手に騙り、総理大臣と会ってこう言われたんだという話が日本中のいたる所で出てきても政府は構わないという立場を安倍総理は答弁したということ。そんなことありえない。許されるはずがない。政府としての役割を放棄した」と厳しく指摘しました。
森友加計問題と並び、国民の関心がある日米通商や北朝鮮の問題について質問する予定はあったかとの問いに、「通商について聞いても答えてないのは一緒。それでは本当の意味での議論にはならない。外交安全保障関連の課題は重要なことだが、与野党で討論するのに適したテーマだとは必ずしも思っていない。外交の機微の部分についてオープンに話ができるテーマであるのか。それはなかなか困難な側面がある。また、あえて申し上げれば、大きな方向性でそこに違いがあると思っていない。したがってテーマとしては、今政府の信頼そのものが揺らいでいる森友加計問題をお尋ねせざるを得なかった」と語りました。
党首討論以外の質問として、参院選挙制度改革について一部報道があることについて、「参院の制度について、まずは我が党の参院のメンバーで詳細を議論していただきたい」としたうえで、「1つはこんな拙速で決められるような話ではない。これから会期末まで1カ月もない状況のなかで、これは3カ月とか半年とかいう単位がないと、まっとうな提案だとしても、収斂(しゅうれん)させていくことは不可能。それにも関わらず、急にこんなもの会期末に出してくるだなんで、そもそも論外。もう1つは、あまりにも弥縫策(びほうさく)だ。選挙制度というのは1つの筋というか、論理的整合性の中で対応しなければならないのに、合区解消できないから合区の人のために拘束(名簿式)を一部入れるなんていうのは、まったく理屈が説明つかない」と指摘。「こんな不合理な滅茶苦茶なものを出してきていること自体、よほど困ってらっしゃるんだなと思います」と語りました。