連合のOB・OGで構成される日本退職者連合は31日夕、2020年度政策・制度にかかる要請書を立憲民主党に手交し、枝野幸男代表、逢坂誠二政調会長、石橋通宏政調会長筆頭代理、辻元清美団体交流委員長と政策懇談を行いました。要請内容は、(1)社会保障の持続性確保と機能強化(2)正しい理解を深める社会保障教育の推進(3)雇用改善・子ども子育て支援(4)年金保険制度の維持・改善(5)地域包括ケアネットワークの確立(6)医療制度(7)介護保険制度(8)貧困・低所得者対策(9)地域公共交通の充実(10)審議会等への当事者参画(11)税制――など。さらに、「低所得高齢単身女性問題に関する政策・制度要求」が特別項目として提起されました。
退職者連合の人見一夫会長は「安倍首相の退任や合流問題など政治が大きく動いている。制度政策要求の実現に向け、野党がもっと大きくなって政権の受け皿となり、政権を変えることを期待する。国民、高齢者にやさしい政治を実現して欲しい。野党を応援し、一緒に政策制度要求を実現していたい」とあいさつしました。
枝野代表は「共同会派を組む仲間で、党という形での一体化を進めている。7年8カ月続いた政権が終わるところで、それに代る受け皿の姿を示すことが一つの歴史的な必然。結果が出せるよう責任を果たしていきたい。コロナをきっかけにこれまで足りなかった支え合い、分かち合い、ベーシックサービスを充実させていきたい。先日まとめた連合・国民民主党との共有理念でもあり、退所者連合の皆さまの具体的要求をしっかり踏まえて実現に向け頑張っていきたい」と応えました。
続いて、退職者連合の早川行雄副事務局長が、重点ポイントを説明。業務委託契約など雇用契約以外の契約を促す高齢者雇用安定法の改正、被用者年金保険加入の企業規模要件の廃止、基礎年金保険料拠出期間の45年への延長、地域包括ケアや介護保険など現物給付の拡充、医療・介護サービスが連携した医療提供体制の整備、高齢者医療負担の線引き、要介護認定1・2サービスの移行、消費税など社会保障安定財源確保に関する懸念などを表明しました。
野田那智子事務局長は、コロナ禍で見えたジェンダー平等に関する課題として、世帯主義に基づく社会システムの改革、ケア労働の女性への偏り、DV被害・虐待の増加、非正規雇用の女性等への支援、意思決定の場への女性参加の推進などを挙げ、内閣府男女共同参画担当へ要請を行ったことを報告し、協力を求めました。また人見会長は、社会保障財源の安定的確保と財政健全化の観点から、消費税の取り扱いをはじめ新党のなかで国民が納得できる議論を行ってほしいと付言しました。
逢坂政調会長は「この間のコロナ対応のなかで社会保障教育の必要性を痛感した。ギグ労働への対応、地域医療計画の見直し、介護サービス1・2の取り扱い、ふるさと納税の是正など、ご指摘を受け止め対応したい」と応えました。辻元団体交流委員長は「コロナ禍で介護施設に過重な負担がかかっている。PCR検査の公的負担や処遇改善など進めていきたい」と決意を述べました。石橋政調会長筆頭代理(厚労副部会長)は「医療・介護分野での負担増・給付減の動きに対して改悪阻止の立場でさらに取り組みたい。低所得女性の無年金問題、非正規雇用・ひとり親・雇用類似など施策がなかなか届かない人たちへの支援、国際連帯税導入による地球規模の課題への対応など一緒に取り組んでいきたい」と述べました。