2020年8月12日
【コメント】「黒い雨」に関する広島地裁判決について
立憲民主党 政務調査会長 逢坂誠二
国民民主党 政務調査会長 泉 健太
社会民主党 政策審議会長 吉川 元
社会保障を立て直す国民会議 政務調査会長 重徳和彦
国は本日、「黒い雨」を巡る訴訟で原告全員を被爆者と認定し、被爆者健康手帳の交付を命じる判決を言い渡した広島地裁判決に対し、控訴した。
長年にわたる原告やそのご家族、支援者のご労苦を踏みにじる行為であり、被告である広島市及び広島県が強く断念を求めたにもかかわらず控訴したことも含め、国に強く抗議する。
国の控訴によって、問題解決までにいたずらにさらなる時間を費やすことになってしまった。原告の高齢化と、既に亡くなられた方もおられることを考えれば、断腸の思いである。あらためて、国は控訴を断念し、判決に沿って原告の方々に一刻も早く手帳を交付すべきであったと指摘しておきたい。 これまで、当事者団体や広島市及び広島県が援護の対象となる区域の拡大を求めてきたが、現政権はそれを拒み続けてきた。安倍総理や加藤厚生労働大臣は本日、区域について検証する方針を表明したが、遅きに失したと言わざるを得ない。 安倍総理に少しでも被爆者の皆さんに寄り添う気持ちがあるのであれば、せめて自ら原告の方々に控訴理由や今後の方針を丁寧に説明すべきである。 私たちは、原告の方々が一刻も早く被爆者と認定され、手帳が交付されるよう、引き続き国に強く求めていくとともに、被爆者援護施策の一層の充実に取り組んでいく。
以上