2020年7月8日
【衆院内閣委】政府の新型コロナ分科会に「透明性のある会議にしてほしい」と要望 早稲田議員
衆院内閣委員会で8日閉会中審査が開かれ、共同会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」から今井雅人、早稲田夕季、柚木道義各議員が質問に立ち、緊急事態宣言の発令を判断するにあたっての具体的基準などについて、政府の見解をただしました(写真上は、質問する早稲田議員)。
今井議員は、(1)緊急事態宣言の発令基準(2)家賃支援給付金(3)GoToトラベルキャンペーンの開始時期――等について質問。冒頭、今般の豪雨について、自身の地元、岐阜県下呂市でも7日深夜に大雨特別警報が発表され、飛騨川が氾濫していることに言及。あらためて災害対策に与野党はないと強調し、全力で取り組んでいくと述べました。
その上で、今般の豪雨の全国的な被害状況について説明を求め、激甚災害指定を含めて財政支援が必要になるなか、どの程度の財源が確保されているのかと質問。内閣府は、激甚災害指定される見通しになったとして、「今後調査を開始し、1週間をめどに基準を満たすものについては指定の見込みを公表する予定。予備費を使いながらしっかり財政措置を講じ支援していく」と答えました。
今井議員は次に、東京都で6日連続して新規感染者数が100人を超えるなど、新型コロナウイルス感染の拡大を受け、緊急事態宣言を再度発出する際の判断基準を尋ねると、西村経済再生大臣は、「感染状況」「医療体制」「PCR検査体制」の3つを挙げました。
7日申請要領が明らかになった「家賃支援給付金」の申請受付が14日から始まることを受け、今井議員は申請から支給までどのくらいのめどかと問いましたが、中小企業庁は「迅速かつ適切にお届けできるよう全力を尽くす。申請が上がってくる内容を見てさまざまな賃貸借契約に応じた適切な審査を行う必要があり、特定の期間の見通しは立てていない」と答弁。今井議員は「それでは不安が広がる。もっと早く、政府はいつまでにやりますというメッセージを出してほしい」と求めました。
早稲田議員は、(1)国土強靭化3年緊急対策と緊急自然災害防止対策債(2)専門家会議の廃止と新型コロナウイルス感染症対策分科会の設置(3)全自動PCR検査装置を日本で使わなかった理由――等について質問しました。
全国で毎年のように未曾有の災害が起こるなか、土砂災害の危険が増していることに関連し、自身の地元逗子市では今年2月、市内のマンションの東側斜面が崩壊し女子高生が土砂に巻き込まれた死亡事故を受け、急傾斜地崩壊対策などを対象とする「緊急自然災害防止対策事業債」を活用した支援に向けて国での協議を進めてもらっていると紹介。大きな土砂災害でもいろいろな要件で急傾斜の崩壊の防災工事に当たらないもの、対象になっても時間がかかり進まないのが現状であるなか、この緊急自然災害防止対策事業債を使った防災工の推進を求めるとともに、令和2年度で終了する事業債の延長を要望しました。
総務省は、「令和2年度までに着手した事業については令和3年以降も現行と同様の地方財政措置を講じることとする」とした上で、「令和3年以降のあり方については、国の3カ年緊急対策の動向や、地方団体の取り組み状況等を踏まえて判断していく」と答えました。
専門家会議の廃止と新型コロナウイルス感染症対策分科会の設置をめぐっては、政府は7月3日に対策本部などを持ち回り形式で開き、同日正式に決めたとの説明を踏まえ、持ち回り会議の前に議論されたのか、そうでなければどのようなプロセスで決めたのかと質問。西村大臣は「(専門家会議の尾身副座長らと)さまざまなやりとりは日頃から行っていた」などと答えましたが、持ち回りの前の政府対策本部での議論は行っていないことを認める形となり、早稲田議員は、「プロセスは大事にしていただきたい。今後の分科会ではそうしたことも踏まえ、分かりやすい透明性のある会議にしていただきたい」と注文しました。
分科会の速記録について、「非公表とする。なお、保存期間は10年とし、歴史的緊急事態に該当するため、保存期間満了後は国立公文書館に移管することとなる。移管後は原則公表扱いとなる」としていることに、「詳らかに公表すべきではないか」と提起。西村大臣は「個別の地名や個人の情報など機微な事項に及ぶ部分ある。専門家の先生方にとっても個人攻撃や訴訟のリスクにさらされる恐れがあり、直ちに公表するのは適切でないと考えている。時が経てばリスクも減るので一定のルールに基づき公文書館で公開する」などと答え、当面は議事概要を取りまとめ、そこでできるだけ丁寧に、詳しい議事内容を残していきたいとの考えを示しました。
これに対し、早稲田議員は政府の姿勢に疑問を呈し、「地方の自治体ではほぼ議事録は公開されている。国民の情報であり、もっと国民に出してもらいたい」と強く要望しました。
緊急事態宣言の発令の基準については、その時々の都合のいい数字ではなく、共通の数字で説明するべきだと指摘しました。
柚木議員は(1)新型コロナウイルス感染拡大防止(2)東京都の感染者拡大防止対策(3)豪雨災害とコロナ拡大防止の両立――等について質問しました。