立憲、国民、共産、社民の野党4党の幹事長・書記局長は31日昼、衆院本会議、参院法務委員会が設定されていたにも関わらず、同日朝、急きょ河井法務大臣がこの衆参の審議を放棄し辞任するに至ったことを受け、今後の対応を協議するため国会内で会談しました(写真上は会談後、記者団の取材に応じる福山幹事長ら)。

 会談では、安住淳国会対策委員長らから午前中の動きの報告があり、意見交換の上、次の5点について合意・確認しました。

○第四次安倍内閣は9月の改造後、わずか1ヶ月半、この6日間で経産大臣、法務大臣という二人の主要閣僚が相次いで辞任をするに至った。内閣総辞職に値する異常事態である。
○安倍総理は、任命責任はあると言って口では謝罪をしていながら、説明すらしない上に何ら責任をとるに至っていない。
○速やかに衆参において予算委員会の集中審議を開催することを強く求める。総理が任命責任、説明責任を果たしたことを確認した上で今後の日程協議に応じる用意がある。
重ねて、菅原前経産大臣、河井前法務大臣には国会に出て説明責任を果たすよう強く求める。
○あわせて、未だに実現していない関電の参考人招致を強く求める。
○「身の丈」発言をした萩生田文科大臣の責任も極めて重い。速やかに辞任を求める。あわせて全国の高校生、受験生に不安が拡がっており、英語民間試験の導入については延期を求める。

 また、その後行われた代議士会で、安住淳国会対策委員長から本日朝から幹事長・書記局長会議までの経緯を報告しました。

 安住国対委員長は、次のように語りました(要旨)。

 菅原経産大臣の辞任から1週間も経ってないにも関わらず河井法務大臣が辞任するというのは正常な状態ではないと判断し、野党国対委員長会談後、自民党国対委員長と会談、今日はまったく審議する環境にないとして、むしろ、あちらが詫びを入れて、今日は止めさせてくださいという状況。これは国会対策委員会のやり取りで済む状況は超えたと判断。幹事長・書記局長会談で今後の国会・政局の状況を見ながら判断しなければならない重大な局面にきたので、衆参ともすべての委員会等について理事会も含め出席を見合わせ、予算委員会集中審議や民間英語試験導入の延期について合意 野党4党の幹事長・書記局長会談を開催した。
 (会談での合意内容を報告)
 安倍内閣が発足以来、共同会派をつくり、閣僚が2人辞任に至った。いま全国の高校生が試験導入で不安を覚えている。ここに集まっている会派の皆さんは党は違いますが、格差社会に断固反対し、貧しい人も豊かな人も同じ環境で教育のチャンスがあり、同じ環境で若者が競争する社会を目指すことは一致するのではないか。「お金持ちはより豊かに、そうでない人はそれなりに」、そういう社会を実現するために民間英語試験等を導入するとしか思えない。
 (与党は)予算委員会の集中審議は一切やらなかった。予算の時はやり、予算通過後は数の力で一切その声を無視し国会運営をしてきた。他の委員会を都合よく動かす、憲法審査会は動かし、予算委員会はやらない。法案の関係するところだけどんどん動かし、その他はやらない、こういうご都合主義の安倍1強を壊すために、われわれはここに集っている。
 覚悟を決めて代表以下、みんなで戦って行きます。審議が止まると心無い発言をする人がたくさん出てきます。しかし、私はまったくそれに対し微動だにしない。何故か、安倍を倒すのはこの場、この時。同時に若者を救うために共に戦おう。頑張っている若者が金持ちと意図的に差をつけられるような社会をわれわれの時代に断固として残すわけにはいかない。

 その後、山井和則国対副委員長から、同日午後、民間英語試験の延期を求める集会を開催すると報告。この集会には予備校講師とともに授業を終えた数人の高校生も参加すると紹介。さらに高校生や現職教師からメールが届いているとして、悲痛な声を紹介しました。

 最後に共同会派の原口一博国会対策委員長代行は次のように語りました(要旨)。
 ここは大きな覚悟がいります。私たちが審議を拒絶しているのではまったくない。今日の(衆院)本会議は立っていた。準備をしていた。昼に野党のせいで本会議が流れたとの報道があった。とんでもない。大臣がいなくてどうやって質疑ができるのか。大臣が逃げていて誰に(質問を)聞くのか。国会を開かせていないのは与党であり安倍政権。