衆参両院でそれぞれ共同会派を組む立憲民主党、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」、社会民主党は16日、国会内で「豚コレラ対策の更なる強化のための共同会派声明」を発表しました(写真上は、会見であいさつする佐々木議員)。
声明は、(1)ワクチン接種を国家防疫と位置づけ、国の責任で実施すること、(2)アフリカ豚コレラ等を視野に入れた水際対策の徹底・強化、(3)飼養衛生管理基準の遵守の徹底、(4)生産者へのさらなる支援、(5)感染経路の検証、野生イノシシ対策等の徹底、(6)殺処分に立ち会った関係者へのケア、(7)正しい情報の啓発――の7項目からなり、政府の取り組みに加え、新たな法整備を含む対策を共同会派として求めるものです。
会見には、立憲・豚コレラ対策本部長の佐々木隆博衆院議員、国民・豚コレラ対策本部長の平野博文衆院議員、社保・政調会長の重徳和彦衆院議員、社民・農林水産部会長の吉田忠智参院議員らが出席し、重徳議員から声明の内容について説明を行いました。
声明は、以下のとおりです。
令和元年10月16日
豚コレラ対策の更なる強化のための共同会派声明
立憲民主党 豚コレラ対策本部長 佐々木隆博
国民民主党 豚コレラ対策本部長 平野 博文
社保(社会保障を立て直す国民会議)政調会長 重徳 和彦
社会民主党 農林水産部会長 吉田 忠智
昨年9月の豚コレラ発生後、1年を経ても終息が見通せない異常な事態の中、昨日10月15日にようやく、豚コレラワクチン接種の推進等を盛り込んだ改正特定家畜伝染病防疫指針が発表された。
感染が全国規模に拡大した後の遅きに失した対応と言わざるを得ず、従来の対策のあり方の是非を改めて検証するとともに、今後の対策実施にも強い危機意識を持って臨むべきである。
我々共同会派は、今後の豚コレラ対策を更に強化し、より迅速かつ効果的に事態を終息させるため、政府の取り組みに加え、新たな法整備を含む以下の対策が必要と考える。
1.ワクチン接種を国家防疫と位置づけ、国の責任で実施すること
この度の予防ワクチン接種は、平時でなく、緊急時のまん延防止策と位置づけ、ワクチン接種に伴う財政負担・実施体制・風評対策については国が全面的に責任を持つとともに、接種推奨地域の周辺地域での発生前の実施判断も国が迅速果断に行うため、法整備を進めること。予防的殺処分についても法的根拠を設けること。
2.アフリカ豚コレラ等を視野に入れた水際対策の徹底・強化
東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年には4000万人の外国人客の入国が見込まれる中、アフリカ豚コレラ等の家畜伝染病の水際対策の強化を定めた、国民民主党提出2法案を早期に成立させること。また、税関申告書で肉類等の所持の有無が分かるよう、様式を直ちに見直すこと。
3.飼養衛生管理基準の遵守の徹底
家畜伝染病防止の基本である、農場のバイオセキュリティについては、飼養衛生管理基準の遵守を徹底するとともに、行政による監視・指導を強化すること。また、出入り業者や地域住民の防疫意識の向上・徹底を図ること。
4.生産者へのさらなる支援
ウイルスまん延防止のため殺処分せざるを得なかった生産者の経営再開、事業継続のため、財政上及び税制上の措置をさらに講ずること。また、価格の下落等により経営に影響を受けた生産者等に対する支援もあわせて行うこと。
5.感染経路の検証、野生イノシシ対策等の徹底
豚コレラ発生の原因解明と感染経路検証を行うとともに、野生イノシシへの経口ワクチンや駆除、防疫のための経路遮断について、自治体と連携して対策を徹底すること。
6.殺処分に立ち会った関係者へのケア
養豚業者や獣医師、自衛隊員、自治体職員など関係者の心的ストレス等のケアを進めること。
7.正しい情報の啓発
豚コレラは人に感染することはなく、感染した豚肉を食べても人への影響はない点など、風評被害の防止を含め、正しい情報の一般消費者への呼びかけについて、政府の取り組みを強化すること。