日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)主催で、被爆者と超党派議員との懇談が10日午後に行われ、立憲民主党からは、石橋通宏参院議員、西村智奈美衆院議員、尾辻かな子衆院議員、そして被爆2世の塩村あやか参院議員が参加しました。
まず、60年を超える日本被団協の運動をまとめた映像「声が世界を動かした―ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産の継承センター設立に向けて」が上映されました。原爆投下直後は、被害を語ることが禁じられていたこと、1954年のビキニ水爆実験を機に被爆者が重い口を開き始めたこと、1958年に広島で初の原水爆世界大会が開催され、8県で被団協が誕生したこと、1991年にすべての都道府県に被団協ができたものの、現時点の平均年齢が83歳で、徐々に消えつつあること、被爆者の体験を継承しようとする若者の動きがあること、などがわかりやすく描かれていました。
つづいて、各党代表者に、(1)原爆被害への国家補償の実現(2)核兵器の禁止、廃絶――にご尽力いただきたいという内容の要請書と、原爆症認定基準に関する要求書が映像のDVDとともに手交されました。
党を代表しあいさつをした石橋議員は、「本年8月に中距離核戦力全廃条約(INF条約)が失効した。来年、核不拡散条約(NPT)の運用検討会議が開かれるが、今の状況が続けば、2年後には新戦略兵器削減条約(新START)も失効の危機にある。そうなれば、この間ずっと核廃絶・削減に向けて努力してきた国際社会が無法地帯に陥り、またしても、核開発競争が勃発してしまうのではないか。今、大切な局面にある。だからこそ、日本が核兵器禁止条約に賛同し、世界をリードする役割を果たしていかなければならない」と、危機感を語りました。