塩村あやか参院議員は台風15号被害の実態を調査するため、2日東京都大島町を訪問し、被害の大きかった地域を地元の方の案内で視察し、住人の皆さんや行政担当者からお話を伺いました。以下は塩村議員の調査報告要旨です。

 9月24日までの集計で被害状況は全壊42件、大規模半壊43件、半壊126件、半壊に至らないは954件の全2265件。全壊の42件のうち、住家は4件。特に空き家の損壊が大きく、役所の上階から見下ろすと、屋根が吹き飛ばされているにも関わらずブルーシートのない家屋もあり、家主が島外在住のため何もできないとの説明をうけた。がれきや倒木については、9月末までは島内2カ所の集積場に自分で搬入すれば無料だが10月以降は罹災証明が必要になるため、早め町を訪問し、被害の大きかった地域を地元の方の案内で視察し、住人の皆さんやに搬入する方が多いとのこと。集積場には北部地区から集められた大量のがれきが倒木、木材(家屋)、プラスチック、不燃物、ふとん類に分けられて山積みされており、残る南部地域のがれきは後日搬入される予定で、人口8000人の町の被害がいかに大きかったか想像できる。

 差木地地区のスーパーは屋根が吹き飛んでおり、ここでの営業続行が難しいため、近所の生鮮店を利用して店舗を再開しようとしたが、保健所だけでなく酒販・たばこ販売の許可が新たに必要なため、手間取っているとのことだった。集落内の数少ない店舗であり、早期の営業再開は地域住民の生活応援の後押しになるはずで、離島の商店は特に災害時と発災直後に果たす役割が大きく、特別な対応が必要と感じられた。地区唯一の酒屋は屋根も壁も抜けた状態となり廃業を決めたとのこと。避難所は2カ所開設され、被害の大きな地区でも避難したおかげで怪我することなく朝を迎えることができたとのことで、間伏地区防災コミュニティーセンターは4世帯10名が利用をした。ブルーシートは9月24日までに計1289枚が配布されたが、シートはあっても展張ができる職人が不足で困ったとのこと。今回は島内ボランティアなどの活用で何とかなったが、大規模災害で今回以上の被害が出た場合には千葉で活躍した自衛隊のブルーシート展張も期待される。

 今回、改善が必要と思われたのが災害救助法適用のタイミングが遅れたこと。台風15号は9月8日に発生をしたが、当初は内閣改造のニュースが報道の多数を占め、被害の大きさがなかなか伝わってこなかった。12日に被災県の議員と共に内閣府に「東京都は災害救助法の必要がないのか連絡を待つのではなく、連携を」と要望したが、東京都の回答は「災害救助法には当たらない」とのことで、24日にようやく災害救助法の適用となった。副町長は発災直後から東京都に災害救助法の適用について相談していたが、当初東京都は「適用にはなりません」との回答で、現場の状況が分かっていなかった。災害救助法は発災直後に適用されて一番効力が発揮できることを勘案すれば、いかに都道府県が迅速に被害状況を把握し、災害救助法の適用を判断するかが重要になる。今回、この判断が大きく遅れた理由を解明しておく必要がある。また発災16日後に災害救助法の適用となったため、簡易な形で罹災証明書を発行していたのが、内閣府の書式に切り替えが必要となり、二度手間となった。副町長は「今後臨時議会を開催し、災害対応の予算を組みたいが、財源に不安がある」とのことで、人口8000人の小さな自治体の大島町は基金を空にしても不足がでる被害で「特別交付金と総合交付金を決定して欲しい」との要望をいただいた。