枝野幸男代表は29日山梨県入りし、参院選挙山梨県選挙区で立憲民主党推薦候補として出馬を予定しているいちき伴子さんとともに、集会や街頭に立ち、平成から令和への改元を一つの節目として新しい時代を作っていこうと訴えました(写真上は、街頭に立つ枝野代表といちきさん)。

 忍野村での集会でいちきさんは、山梨とのつながりの原点になったのは忍野村だと話し、そのきっかけは東日本大震災の東京電力福島第一原発事故が起き、外で十分に遊べない子どもたちがいるということを知り、何とかできないかと声をかけ、保養キャンプを始めたのがこの地だと紹介。2012年から始め、今年もまた8月に行うという。政治家の秘書や地方自治体議員として約18年政治に関わってきたなかで、困っている人や目の前にある課題に取り組むのが政治の役割だと語りました。また、公共交通の拡充を訴え、朝夕の送り迎えをしているスクールバスを、昼間も活用し、高齢者のための交通手段として活用することを挙げました。

 枝野代表は、医療・介護サービスの充実、子育て支援の充実について語り、介護従事者や保育士等の処遇改善が必要だと訴えました。

忍野村の集会で話をするいちきさん
忍野村の集会で話をする前参院副議長の輿石東さん
忍野村の集会で話をする枝野代表

 その後、昭和町にある大型ショッピングセンター近くで街頭演説を行い、その後、同町内の「花咲けやまなしの会」女性部主催の女性集会に参加、さらに北杜市に移動しオール北杜主催の「いちき伴子演説会」に出席、枝野代表は党の理念や政策を訴えました。

女性集会で話をする枝野代表
北杜市の集会で話をする枝野代表

記者団の取材に応じる枝野代表

 また枝野代表は女性集会に参加後、記者団の取材に応じました。質疑応答の要旨は以下のとおりです。

Q:公示前直前ということで、山梨に来られた理由を教えてください

 急激に追い上げて、ここから本番でしっかりした戦いをすれば、なんとかギリギリ追いつけ追い越せるのではないかという大変重要な大激戦の選挙区だということで、公示前にもうあとひと押し勢いがつけられればという思いでまいりました。

Q:党本部にとって山梨選挙区というのはどんな位置づけでしょうか

 大変素晴らしい候補者が勇気を持って名乗りを上げてくれた。そして正直いろいろな経緯があったにも関わらず、他の野党の皆さんにもご理解をいただいて野党の一本化候補としてご支援をいただけるという流れになりましたので、ぜひ勝ちたい、勝たなければいけない選挙区だと思っています。

Q:公示直前ですが、どんな選挙戦を展開したいとお考えですか

 候補者が一人でも多くの有権者と直接接していただければそれだけ支援の輪が広がる、そういうタイプの候補者だと思っていますので、本人も大変だと思いますが、周りで十分にサポートとロジ(ロジスティクス)を組んで、一人でも多くの山梨県民の皆さんと接する機会を作っていくと。それができれば、追いつき追い越せると思っています。

Q:今後党本部として山梨選挙区をどう支援していこうとお考えですか

 幹部が応援遊説に入るというのは、やり方とタイミングを間違えると必ずしもプラスとは限らないのですが、地元とよく相談をして、地元のオーダーがある時には最優先で私も含めて山梨入りしたいと思っています。

Q:今日、女性の集会だったかと思うのですが、立憲民主党として女性に対しては特にどういった政策を訴えていきたいとお考えですか

 実は「女性に対して」という切り方自体がもう時代遅れだと思っていて、今日の講演でも申しました通り、老後の安心や子育ての安心、どちらかと言うと女性の皆さんの方が関心が高いと言われている話ですが、男性女性に関わらず関心も高いし、これからの日本社会全体にとって大事な政策だと思っています。

Q:先ほどの講演の中でもパリテをもうすぐ実現できそうだという話がありましたが、そのあたりも含め女性議員を増やすことの重要性、他のLGBTの議員であったり、そういった多様性のある議員を増やすことの重要性について

 国会議員・政治家の仕事は、さまざまな現場の声、有権者の声を咀嚼(そしゃく)して政策にして実現するというのは間違いないのですが、一方で多様なさまざまな当事者、現場の声を、国会に届けていくという役割も大きいと思っています。そうした意味で今の日本は、あまりにも当事者の声が届きにくい、届いていない状況にある。男性と女性の比率もそうだし、障がいをお持ちの方であるとかマイノリティの方であるとか、声があまりにも届いていない状況の中で当事者や現場の声をもっと直接議会に届けていただく。その声を踏まえて、それを政策にしていく。その前段のところが今、求められているのではないかと思い、それを今一生懸命進めています。

Q:関連で、特に参院選で訴えていきたい政策というものがあれば

 私たちは、令和デモクラシーと名付けて、一つに家計を起点とする経済への転換。もう一つ、参加型民主主義と申し上げています。もう一つ、違いを認めあって多様性を力にするというのが、大きなこの令和デモクラシーの柱だと思っています。そのなかでも選択的夫婦別姓であるとか、手話言語法や情報コミュニケーション法という、直接利害関係のある方少ないかもしれないけれども、多様性を認め合うことが全体にとって結果的にはいいことなんだということにつながる政策を目玉として訴えています。

Q:参院選で争点になるものは

 大きな意味では、暮らしの安心の回復。これが争点だと思っています。

Q:講演の最後におっしゃっていた年金問題ですが、今そういった風みたいなものはお感じになりますか

 風というほど明確なものになるかどうかは、これからだと思っています。ただ我々が業界用語でいう潮目が変わったというのは実感をしています。