立憲、国民、共産、社保(「社会保障を立て直す国民会議」)、社民の野党4党1会派は9日、「毎月勤労統計調査の共通事業所の実質賃金変化率の算出等に関する予備的調査」要請書を衆院事務総長に提出しました。

 要請書は、衆議院規則第56条の3の規定に基づき、毎月勤労統計調査2018年1月分から12月分の結果確報における共通事業所の実質賃金変化率の算出などの予備的調査の実施を求めるもの。具体的内容としては、(1)毎月勤労統計の実質賃金変化率の意義とこれまでの算出方法などの考え方の整理(2)共通事業所系列の実質賃金変化率の算出など(3)共通事業所系列の実質賃金の留意点の整理など――の3点です。 

 「毎月勤労統計調査」をめぐっては、調査対象となる事業所の入れ替えが昨年行われたことから、野党側は実質賃金の伸び率を正確に把握するには前の年も調査対象となった「共通事業所」と呼ばれる事業所だけで算出すべきだと要求。政府は今年2月、物価を勘案した実質賃金の「参考値」など統計のあり方に関する専門家の検討会を設けましたが、3月に公表された中間的なまとめ案では「算出は困難だ」とし、最終的な結論をまとめる時期についての見通しを示していません。

 提出後、衆院厚生労働委員筆頭理事の西村智奈美衆院議員は記者団の取材に応じ、こうした政府の対応について「国民に真実を明らかにしようという姿勢がまったく見えない」と批判し、今回の提出に至った経緯を説明。毎月勤労統計の共通事業所の実質賃金変化率は、今年10月に予定されている消費税10%への引き上げの判断に当たって非常に大きな要素になるとして、「まずは本当のことを国民に知らせる。その上で判断するのがあるべき姿だ。早急に予備的調査に対する報告をなされることを期待したい」述べました。