衆院本会議で11日、「大学等における修学の支援に関する法律案」と「学校教育法等の一部を改正する法律案」の採決が行われ、与党と国民民主などの賛成多数で可決しました。

 採決に先立ち、会派を代表して反対の立場から討論に立った菊田真紀子議員は、「目的も内容も異なる2つの法律案を一括して審議を行うこと自体、非常に乱暴なやり方であり、政府・与党の無責任で傲慢な姿勢に対し強く抗議したい」と述べ、それぞれの法案の法案に対する反対理由を挙げました。

 大学等における修学の支援に関する法律案については、わが国が社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)を批准しており、高等教育を漸進的に無償化していく義務を負っているとした上で、どのように高等教育の無償化を達成していくのかという具体的な議論すらなされていないと指摘。

 さらに(1)2017年9月に安倍総理が衆議院解散の理由を説明した記者会見において、消費税率引上げによる増収分の使途の変更先として、突如、言い出したものであり、高等教育無償化に関する将来的なビジョンがあってのことではない(2)本法律案による支援措置の財源を、消費税率引上げによる増収分としたがために、消費税法の縛りが生じ、本法律案の目的を「少子化対策」とせざるを得なくなったので、内閣府に予算を計上して、執行するのは文部科学省という、支離滅裂な立て付けとなっている――などとして、「明確なビジョンがなく、露骨な選挙対策ではないかという疑念が拭えない本法律案には、到底賛成することができません」と語りました。

 学校教育法等の一部を改正する法律案については、「いわゆる束ね法案であり、盛り込まれた改正内容は多岐にわたり、本来であれば、別々の法律案として、しっかりと審議を行う必要がある」などと指摘しました。