2018年11月20日
【衆院本会議】日欧EPA承認案が審議入り 櫻井議員が質問
衆院本会議で20日、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定案(日欧EPA=経済連携協定)および日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定案に関する趣旨説明質疑が行われ、立憲民主党・市民クラブを代表して櫻井周議員が質問に立ちました。日欧EPAは、域内の人口が6億4,000万人、世界の国内総生産(GDP)の3割、貿易額では4割を占める世界でも最大規模の経済連携協定。政府は今国会で承認案を成立させ、来年2月1日の発効を目指しています。
櫻井議員は、自国第一主義と保護主義が広がりを見せるなか、「自国第一主義と保護主義は、世界の交易を停滞させ、世界経済をシュリンクさせる。世界経済の発展を通じて、人類社会の幸福を実現していくためには、自由な経済活動こそが重要だ」と指摘。一方で、拙速な自由化には、社会と人々がついて行けず、人々のココロを保護主義へと向かわせてしまいかねないとして、「貿易の自由化は大事だが、丁寧に進めるべき」と強調しました。
その上で、(1)酪農乳業の競争力強化対策(2)酪農の生産基盤強化対策(3)木材製品の国際競争力強化に向けた対策の成果(4)日豪EPAの下での自己申告制度の利用状況や企業の自己申告制度への対応状況(5)自己申告制度における企業のコンプライアンスの徹底に向けた政府の取り組み(6)投資の保護に関し有識者の意見を聞く必要性(7)EU離脱後の英国の扱いと日系企業への対応(8)経済効果分析に英国のEU離脱をどのように盛り込んでいるか(9)日欧EPAによる保護主義的な動きへの対抗と日米物品貿易協定交渉への影響(10)人権および基本的自由に対する国内の取り組み――等について質問。本戦略的パートナーシップ協定案では、「共通の価値及び原則(特に、民主主義、法の支配、人権及び基本的自由)の促進に共同で貢献すること」を約束していることに触れ、その一方で今あらためてクローズアップされている外国人労働者に関する諸課題をめぐる政府与党の不誠実な対応を批判。「『人権及び基本的自由の促進に共同で貢献すること』を国際社会に対して約束しておきながら、国内において技能実習生など外国人労働者の人権と基本的自由を蹂躙しているとなれば、わが国への信頼は大きく損なわれてしまう。『人権および基本的自由』について、国際的な取り組み以前に、日本国内での問題について実態を直視し、正直に取り組むべきだ」と訴え、その取り組みの第一歩として、誤りのあった法務省の技能実習生の失踪動機をまとめた実態調査データの資料の元となった調査データを、即刻国会に提出するよう求めました。