立憲民主、国民民主、無所属の会、共産、自由、社民の5党1会派の国会対策委員長は29日午前、国会内で会談。本来公正中立の立場にある自民党の高市衆院議院運営委員長が国会改革に向けた案を公表した問題や予算委員会の日程等について対応を協議しました。
高市委員長が提示した案は、「議運委員長として実現を目指す事柄」と題し、衆議院議院運営委員長高市早苗という名前名で24日、国会改革を求める超党派議員と面会した際に提示されたもの。各委員会での一般質疑の回数削減やタブレット端末を導入したペーパーレス化などに取り組む考えが記されています。野党各党は内容もさることながら、中立の立場であるべき議運委員長がこうした案を示したことは看過できないとして、文書の撤回を求めることで一致しました。
辻元清美国対委員長は会談後に記者団の取材に応じ、「高市議運委員長は議会運営、立法府の議会運営のイロハのイをご理解なさっていないことの表れだと私たちは問題視している」と批判。特に、「法案審議の方法を改善」として、「これまでの一般質疑・法案審議・一般質疑・法案審議の方式を改め、内閣提出の法案審議を続けて行い、会期末前に残った時間を議員立法の審議や一般質疑に充てる」としていることについて、「立法府が行政監視機能をしっかり果たそうというのではなく、下請けになろうと言っているということだ。これを改善だと称してお配りになった。出てきた法案をベルトコンベアーのように、さっさと処理しなさいと言っているに等しい。立法府としてどれだけ充実した審議をさせるかという一番の行司役の委員長が自ら進んで、立法府が行政府の下請け機関に成り下がると宣言しているに等しいような中身が入っている」と厳しく非難しました。
加えて、高市委員長が示した私案には「ペーパーレス化のためのタブレットの貸与」と「押しボタン方式の導入」について、「費用については、既に財務省事務次官・主計局長と交渉し、財務省は了承済み」と記載されているが、財務省はこれを否定していることもあわせて問題視しました。
野党の求めに対し高市委員長は文書の撤回を拒否。衆院議運委員会で断続的な協議が行われたため衆院本会議の開会が遅れましたが、最終的に高市委員長が文書の撤回を認め、45分遅れで開会しました。