立憲民主党は30日、都内で結党後初めての党大会である立憲フェス2018を開催。パートナーズの他、党所属の国会議員、地方自治体議員、党の地域組織である都道府県連合選出の代議員ら約1,500人が集まり、党のこれまでの歩みが分かる展示やトークイベント、政策の取りまとめで意見や協力をいただいている団体などの活動紹介などを通じて交流を深めるとともに、党の活動方針(下記PDF参照)と方向性を共有しました。
また、フェスの様子はネット中継が行われ、パソコンやスマートフォンでの視聴のほか、一部の都道府県連合事務所や議員事務所などでパブリックビューイングが行われ、開催場所以外の地域でも視聴しながら参加者が交流を深めました。
オープニング・トークイベント「立憲民主党 次の1年に向けて」
堀越啓仁衆院議員と石川香織衆院議員が総合司会を務めた今回のフェスは福山哲郎幹事長による開会宣言の後、蓮舫副代表の進行で、枝野幸男代表、長妻昭代表代行、辻元清美国会対策委員長の3人が「立憲民主党 次の1年に向けて」と題してトークを繰り広げました。
参加団体活動紹介
党の政策取りまとめの際、意見や協力をいただいている団体などを「子ども・女性」「エネルギー・環境」「暮らしの安全」「共生社会」「国のかたち」という5分野に整理し、それぞれの現場で活躍する皆さんの活動を紹介するエリアを設けました。
立憲ミニトーク・対話型ワークショップ・お笑いLIVE
立憲ミニトークでは、3つのテーマで党所属の国会議員や地方議員なとが党の活動やこれからについて語りました。またミニトークはグラフィックファシリテーションも行われました。
「原発ゼロへむけて」と題したテーマでは、芸人で記者でもあるおしどりマコ・ケンさんの司会で、党エネルギー調査会長の逢坂誠二衆院議員、同調査会事務局の山崎誠衆院議員、飛び入り参加の最高顧問の菅直人衆院議員らが原発からの脱却、再生可能エネルギーの活用など含め今後のエネルギーのあり方について語りました。
「私らしくあなたらしく生きるために」と題したテーマでは、政治アイドルの町田彩夏さんの司会で、党憲法調査会長の山花郁夫衆院議員、党「SOGIに関するPT」座長の西村智奈美衆院議員、党ジェンダー平等推進本部事務局長の大河原雅子衆院議員らがジェンダーギャップの現状とこれから、ジェンダーの視点から自分らしく行きられる社会について語りました。
「地方政治のこれから」と題したテーマでは、市民のためのシンクタンクであるReDEMOS研究員の諏訪原健さんの司会で、党地方自治体議員ネットワーク副代表の山本正乃埼玉県議会議員、津曲俊明船橋市議会議員らが地方自治体議員の役割や活動を紹介し地方政治のこれからについて語りました。
「ワクワクする未来を話しあおう」と題した対話型ワークショップでは、円形に椅子を配置し参加者同士が交流しました。
お笑いLIVEには、おしどりマコ・ケンさんとザ・ニュースペーパーさんの2組が登場しました。
立憲法案展示・カメラミュージアム・フォトブース・パートナーズ広場
第195、196国会で提出した法案の中から9法案について提出目的や自分たちに何ができるかなどをまとめた立憲法案展示、ツイッターで「 #立憲カメラ 」のハッシュタグをつけた写真など党のこれまでを画像で振り返るカメラミュージアム、特設した2つの背景でプロカメラマンによるフェス参加の記念撮影が行えるフォトブースや記者会見で実際に使用している背景と演台を設置したエリア、パートナー同士が交流できるエリアなどを設けました。
飲食・フェスグッズ・著書販売
オーガニックやエコをテーマにした弁当や飲料などの販売、党ロゴのピンバッジや今回のフェスのために制作したオリジナルTシャツとエコバックの販売、議員やゲストスピーカーの中島岳志さんの著書販売を行いました。著書販売には議員も訪れサインをその場で書くサービスも行いました。
フィナーレ
LEGACY(レガシー)さんによる演奏から始まり、現時点で決定している次期参院選の候補者12名の紹介、福山幹事長から活動方針の報告があり了承、その後10月3日に有楽町で結党1周年の街頭演説・有楽町アゲイン大作戦を行う旨の発表がありました。
さらにゲストスピーカーとして東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の中島岳志さんの講演が行われました。中島さんは話の何で、自身の執筆中、亡くした友人をふと思い出したことがきっかけで原稿を書き直したというエピソードを語り、書き直しをさせたということは「死者はいなくなったのではない、死者となって存在している」のではないかと考えるようになったという。そして政治学者として「立憲主義」を考えた時、国民が国家権力を縛るものとして憲法があるが、その国民は誰かというと今生きている私たちだけではなく死者ではないのか、経験に基づいた様々な縛りを未来に向けている死者からの強いメッセージが立憲主義ではないかと考えるようになったと語りました。
そして立憲民主党という党名には、「民主という概念は立憲という概念に拘束されている」という意味が込められているとして、日本の政治にとって非常に重要な時期なので頑張っていただきたいとエールが送られました。
さらに枝野代表による大会演説があり、結党からの1年を振り返り、2年目新たなステージへ進むことを約束しました。
最後に執行役員が登壇し、紙テープを投げ合い来場者の思いと結ぶ橋を架けました。
枝野代表の大会演説(要旨)は、以下のとおりです。
永田町の理屈で、離合集散を繰り返して出来た政党ではない。むしろこれまでの永田町の内側を向いた政党政治に失望していた方々、それでも政治を諦めない、叱咤激励してくださる方々の力によって私たちは貴重な議席を預かりました。
挑戦に次ぐ挑戦だったと振り返り、一歩一歩着実に今までとは全く違う政党の形が生まれつつあると思っています。この1年で得られた果実は、
(1)パートナーズ制度をつくったこと。これまで支持者を囲い込もうとして失敗してきた。そうではなく皆さんと対等につながることができる、ともに作り上げる新しい政治文化。まだ歩き出したばかりですが、このパートナーズ制度を育てていきたい。
(2)野党第一党として国会の挑んだこと。野党第一党とは言え史上最小の勢力。率直に言って苦戦してきた。しかし、まっとうな政治を目指して、国民の皆さんと連帯して、今の政治の横暴のいくつかを明らかにしてきた。
(3)国民の皆さんと一緒に作る政策づくりの一歩を踏み出した。全国各地でタウンミーティングを開催することで共に作り上げていく。原発ゼロ基本法を作り、法案提出に至ったプロセス。様々な人たちで協力して政策を作る例を示すことができた。これからも新しい民主主義のステージをつくっていきたい。
(4)次々と地方組織を立ち上げていただいた。地方自治体選挙でも、現職の皆さんが我々の旗に集まっていただくだけでなく、新人議員も多く当選させることができた。
この1年間で生み出してきた果実は、立憲民主党とパートナーズの皆さんを中心とする国民の皆さんと作り上げてきた、かけがえのない財産だと語りました。
この1年は昨年には全く想像しなかった飛躍的な前進をした。同時に国民の皆さんは結党からわずか20日で野党第一党という大きな責任を課した。民主主義とは「選べる」ということ、「選べない」というのは人に任せるということ。野党第一党として政権の選択肢となり、遠からず政権を担うこと。我々は(政権を)取るだけでは許されない。党を構成している多くの議員が民主党政権で様々な役割を担ったメンバー。あの時の教訓を活かさなければならない。「政権を変えたら良いことがある」と多くの皆さんに感じていただける結果を出さなければならない。そのために私の責任は政権を取ることではなくて、長期政権をつくることだと確信しています。
自民党の総裁選挙後、ポスト安倍の議論があります。しかし野党第一党の党首である私がポスト安倍です。それが政党政治です。議会制民主主義の基本である、憲政の常道であると確信しています。まだ内実が伴っていない、それは確かです。しかし、必ずや内実を伴った状況をつくり、政権を担う責任を果たすこと、その強い覚悟と決意を皆さんにお約束申し上げます。
国会内での数合わせを第一義に考えたり行動したりすることはいたしません。今問われているのは、政権構想ではなく日本の社会構想。拙速な政権構想論の前に、ビジョンや日本の未来の青写真こそが問われなければならない。
立憲民主党は多様性を認めあいながら、お互いさまに支え合う社会というオルタナティブを積極的に明確に提示していきます。情けは人の為ならず。人のために何かしてもろくなことはないという間違った意味で解釈している人が半分近くいる。まさにこれが日本の状況。誰かのためにとしたことが、自分に巡り巡って返ってくるという本来の意味。それを実感できる社会を明確な新たな選択肢として示していきたい。
まだまだ険しいことはよくわかっています。議員の数も、党職員の数、予算、いずれも決定的に不足している。パートナーズのみなさん、充分な情報がない、一緒にやりたい、じれったい思いで、見つめてらっしゃる方がいることもわかっています。
しかし自信をもって、この道を進んでいきたい。昨年の今頃、討ち死に覚悟で結党した私たちに野党第一党という活動の場を与えてくれた皆さんへの責任だからと思うからです。皆さんには力がある、国民・有権者には力がある、私は確信しました。国民の皆さんが動けば、20日で野党第一党をつくることができる。そのことを皆さんの力で昨年証明したんです。
だから、永田町の常識を覆して皆さんを信じて進みたい。本当の変化は必ず小さな動き・声から始まる。そこから新しい時代がつくられる。そういったプロセスで誕生し芽を出すところまで育てていただいた立憲民主党はそのことを誰よりも知っています。新しい時代の民主主義、お互いさまに支え合う社会を必ず作っていけることを確信しています。皆さんには力がある。その力を信じて、立憲民主党は2年目新たなステージへと進んでまいります。共に頑張りましょう。