参院本会議で23日、政府提出の「気候変動適応法案」の趣旨説明質疑が行われ、会派を代表して牧山ひろえ議員が質問に立ちました。
本法律案は、気候変動への適応を推進するため、政府による気候変動適応計画の策定、環境大臣による気候変動影響評価の実施、国立研究開発法人国立環境研究所による気候変動への適応を推進するための業務の実施、地域気候変動適応センターによる気候変動への適応に関する情報の収集及び提供等の措置を講ずるものです。
牧山議員は、(1)気候変動政策に関し、日本は国際社会をリードする存在を目指すべきと考えるが、環境大臣の認識は(2)「温室効果ガスの排出を2050年には80%削減」する目標達成に向けた長期戦略はいつ頃どのような方針で策定するか(3)政府が常々「車の両輪」と説明する適応策と緩和策の関係を、本法案に明確に位置付けることについて頑なに否定する理由(4)総合的な適応策を実施するために、各省任せではなく環境大臣がリーダーシップを持って関連施策を主導していくべきと考えるが、環境大臣の所見は(5)どのような体制とスケジュールで、適応策の評価手法の開発をするのか(6)日本でも評価情報の的確性、計画内容の妥当性を確保するために、独立した第三者機関の評価と勧告の仕組みが必要であり、これを法に位置づけるべきと考えるが、環境大臣の所見は(7)気候変動適応を推進するために国民などに対しどのような周知広報及び普及啓発を行っていくか――等について質問しました。
また、「気候変動の影響が拡大する中で、遅まきながら、我が国でも気候変動適応法案が提出されたことは歓迎すべきことです。ですが、ドイツの環境NGO『ジャーマンウォッチ』による『各国の気候変動対策の取り組み』ランキングでは、日本は全体の50位と位置付けられ『非常に悪い』と評されています。今からでも遅くありません。日本から世界の気候変動対策を変えていこうではありませんか。本法案の成立がそのための契機になることを祈念」すると述べ、質問を終えました。