2018年1月23日
憲法学者の木村草太教授を迎え「憲法に基づく国会のあり方を考える院内集会」開催
立憲民主党は23日、「憲法に基づく国会のあり方を考える院内集会」を国会内で開催。憲法学者の木村草太・首都大学東京教授に「憲法と国会」をテーマに講演いただきました。
木村教授は、国会とは「国権の最高機関、唯一の立法機関(憲法41条)」「行政の責任を受け止める機関(憲法66条)」、国会議員とは「全国民の代表」(憲法43条)という、日本国憲法における国会の定義を踏まえた上で、(1)政治の領域(2)立憲主義(3)責任政治――の3つを柱に講演。「政治とは、多様な価値がある中で一つの決定を作り出す作用であり、必ず反対者がいる。それゆえ、反対者を含む『全国民』に対し『正統性』を確保しなければならない」として、野党からの厳しい質問に耐えてこそ正統性が確保されると主張。憲法学者の美濃部達吉氏が「責任政治」の概念について、「自己の行為について他の者の批評的判断を受ける。その判断に基づき自らその行為の結果を負担するを言う」と定義づけていることに触れ、「批評的な判断を受けることは重要な立憲主義の内容である。政府が何をやっているのか、今の政府をどのように受け止めれば良いのかというのは、メディアとしての議会がなければ国民はそれを理解することができない。立憲主義とは、政府に対して議会での批評的判断、それを引き受けることで統治が情報化される。国会改革の目標は、国会が批評的判断をし、それを政府はどのように受け止めるか、それによって政府がより正統性を高めるために何をすればよいかという方向から議論がされるものだ」などと説きました。
枝野幸男代表は、木村教授の講演とその後の質疑応答を受け、「今の日本の議会のあり方、議会政治のあり方が美濃部先生の時代の見解と比べても逆戻りをしてしまっているのではないかという強い危惧を多くの皆さんに共有していただけたのではないか。われわれとしては、今日の木村先生のお話をしっかりと噛みしめた上で、議会が国民の皆さんに対するメディアとして今の政治の正統性を伝えていく。そのためには野党が力を発揮させていただける場を作ることが、野党のためではなく政治の正統性をしっかりと確保していく上で大事だという自信をもって臨んでいきたい」と述べました。