福山哲郎幹事長は16日、国会内で定例の会見を開き、同日開催の常任幹事会について報告。東京都知事選挙では、宇都宮健児さんが政党に対する推薦要請をしない事情に鑑み、「最も強力に応援する」ことで一致したと説明しました。

 また、組織規則・パートナーズ規則の改正の確認。代表選規則については条文化作業を終えてはいたものの緊急事態宣言下で3蜜を避け会議ができていませんでしたが、今回、対面での常任幹事会が開催されたことを受け、条文化したものを了とし、明日の両院議員総会に諮ると説明しました。なお、今年9月に任期を迎えることから、7月下旬を目途に代表選の方法については決定することになりました。

 記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:イージス・アショア配備計画の停止について、今回の防衛省の説明に対し自民党内からも批判の声が相次ぐ事態のなか、日本の安全保障政策を考える上で、どういった問題点や危惧があると考えるか

 まず、この時期になぜ突然発表したのか、非常に疑問に思わざるを得ません。
 参院決算委員会が終わった後(の発表)ということは、国会で追及を受けたくなかった(のではないか)。
 それから、終盤国会であることも含め、安全保障の根幹に関わる議論であるにも関わらず、このような発表の仕方であったことは非常に遺憾に思います。

 2点目は自民党内からも異論が百出しています。
 自民党内でイージス・アショアの導入をかなり強引に決めました。中期防衛力整備計画にも入っていないものを無理やり入れて、予算立てをし、もうすでに予算も1000億円規模で執行してるという話もあります。
 そういった状況の中、突然やめたことで、安全保障上これまで言ってきたこととの整合性が取れるのか、ブースターがコントロールができないことでやめるという話をされていますが、アメリカとの協議がどのような状況であったのか、なぜこれまで大丈夫だと何の根拠で国民に説明していたのか、疑問は尽きません。
 一方で、日米安保条約上の関係、アメリカとの関係で導入を決めたとすれば、先ほどのブースターの問題とは違う大きな意味での安全保障上の問題で、アメリカとこの件について政府間同士で一定のコミュニケーションがあったのかどうかも、いまだにわからない。いま朝鮮半島は南北間で緊迫の度合いが増しておりますので、そのことも含めて、政府としてどのような形で日本の安全保障の状態を説明するのか。
 イージス・アショアではない状況でミサイル防衛に関して検討しているのか、もしくはいま安全だという言えるのか。安全だということであれば、これまで言ってきた説明とは矛盾したことになるわけで、そのことについても説明を求めていきたい。
 われわれは秋田の市民生活のど真ん中にあのようなものを設置することは、地域住民や県知事等の声もあり反対してきたので、白紙になったことは了としますが、自民党の安全保障政策、政府の安全保障政策全般に疑問を生じざるを得ないので、しっかりと説明を求めていきたい。

Q:山尾志桜里衆院議員が記者会見をし、国民民主党への入党を届け出たということを発表された。今国会中に立憲民主党を離党、会派にとどまっておられたが、同じ国会中に同じ会派内の別の党に入党申請を出すという対応・行動について、どのように思われるか。もう一点、国民民主党に対してどのような対応を求めたいか

 率直に言って、驚きました。
 一方で、国民民主党に入党届を出されたのか、事実関係はあまりわかりませんが、出された直後に、お電話をいただきました。
 国民民主党側から、立憲民主並び福山幹事長に仁義を切ってきたかと言われ、入党届を出してからお電話をいただいたようなので、私は事情も何もわかりませんので、いまお電話をいただいて入党届を出してきましたと言われても、なんともコメントしようがありませんと申し上げました。
 それ以上でもそれ以下でもありません。

Q:東京都知事選に関して、須藤元気議員が自身のツイッターで「個人的に山本さんを応援しています」と発信。その後、本日、「都知事選で支持する候補者の違いを党と僕との間で再確認しました。今後どうするかもう一度考えてみます。」とのツイートをされたが、須藤議員に対して何らか注意を行ったりしたか。また、国民民主党が自主投票を決め、山本太郎さんも出たことで、野党共闘の輪が少し想定したものと変わってきてる部分もあると思うのですが、どのような影響がありそうか

 須藤議員ですが、最初のツイートとご紹介いただいた2つ目のツイートが事実関係としてはそういうこと。須藤議員とは話し合いはしました。立憲が宇都宮健児さんを支持をした理由・経緯等についても説明をしました。
 それで「考えてみます」というツイートになったと理解をしております。今後のことについては、また話し合う機会があるかもしれません。

 それから野党共闘ですが、宇都宮健児さんの支援を決めさせていただいたのは、当然ですが山本太郎さんが出馬表明をするかなり前のこと。宇都宮健児さんで野党共闘が構成されればいいと思っていましたが、国民民主党はそこは難しいので自主投票にしていただいたと、国民民主党の対応に一定の配慮があったと思っています。それぞれの政党の事情があり、同じ政党ではないので、それはあっていいことだと思います。
 そのことも終わった後に、山本太郎さんが立候補を表明されたので、立候補にとやかく言う必要はないと思いますし、立候補は自由だと思いますので、それは結構なことだと思います。
 しかし一方で、野党共闘が崩れたか崩れていないかは、そもそも宇都宮さんで野党共闘でやれればいいと思っていましが、結果として山本さんが立つことで、かなわなくなった現実はありますが、だからといって何らかの影響があるとかではないと思います。

Q:東京都知事選について、具体的な支援のあり方、例えば代表、幹事長なり、党幹部が街頭に立って応援していくということでしょうか、特に告示日の体制について固まっていれば教えてください

 告示日は宇都宮選対とも協議をして決めるので、まだ申し上げられませんが、先般、蓮舫副代表が演説に立たれましたし、今日も辻元幹事長代行が演説に立っていますので、代表や幹部が入ることも重々にあると思います。

 明日、国会最終日でどういう状況にあるかわかりませんが、時間は国会の状況により流動的ですが、いつも国会の終盤や予算が通った後にさせていただいている大作戦を、駅とかでは今もできませんので、先般と同様、オンライン大作戦をやりたいと思っており、会場は経営状況が厳しくなっているライブハウスをお借りをして発信をしようと思っております。
 その場に代表も私ももちろん参加するつもりでいますが、宇都宮健児さん、東京都議補欠選挙に立候補予定の松木かりんさん、斉藤りえさんにも来ていただこうと思っております。オンライン上では、もう明日すでに一緒に並ぶことになると思います。

Q:振り返ると、北海道知事選は石川さん、大阪補選は共産党の宮本さん、そして天王山の東京では社民共産系の宇都宮さん。普通の感覚からいって野党第一党が、時の天王山といわれる選挙に自前の候補ではなく、他党の人を立てるのは、もうこれは立憲民主党の文化ではないか。そう残念がる人がたくさんいると思うがどう考えておられますか。
 あわせて、東京は立憲にとって非常に強い。国民(民主党)とは違う。衆院は9人もいて、元総理、海江田さん、長妻さん、蓮舫さんがいて、なおかつ時間があった。自前の候補が立てられない野党第一党が、世の中に対して受け皿を示したとは思えない。どうしてこうなっちゃうのでしょうか。3回もあるので。
 何かこれは枝野さんのリーダーシップの決定的な不足ではないかと。申し訳ないですが、残念なので申し上げますけど、立憲支持層はそう思ってる人が少なからずいると思うので、ぜひそれについてご説明いただけたら

 ご指摘は重く受け止めたいと思います。
 一方で、例えば石川さんが自前ではないのかどうか非常に難しい判断だと思います。それから大阪の補欠選挙はもちろん宮本さんだったので自前ではありません。
 また宇都宮健児さんが今回、いま社共ておっしゃったかな、自前か自前でないかということについても、非常に難しい判断だと思います。
 10年前から東京都知事選挙で戦い、もちろんその当時、党派性のある応援をもらっていたことは私どもも事実としてわかりますが、しかし宇都宮さんが都議会を傍聴し、過払いの訴訟も含めて日弁連の会長として立派な業績を持たれ、東京都政に非常に強い関心を持って運動してきたことは評価に値すると思っています。
 その宇都宮さんがいち早く手を挙げた。もちろん自前で出せることなら、宇都宮さんにぶつけることもあり得たかも知れませんが、宇都宮さんのこれまでの生きてきた足跡を見たときに、応援しても良い候補ではないかと判断をさせていただいたので、宇都宮さんへの支持を決めさせていただいたのが内実なので、自前か自前でないか、例えばそれは立憲民主党の公認で出ろという意味なのか、どういう意味か難しいところですが、しかしながら宇都宮健児さんを今回担げたのは結果としては良かったと思いますし、ご指摘は重く受けとめますが、今はそのように受けとめています。

Q:山本さんを口説いたのではないか、統一候補として

 これも事実関係として申し上げると、第三者を通じて山本さんが出られる場合に、れいわ公認で出られる方がいいのかどうかという打診はありました。
 れいわや山本さんから直接ではありませんが、それに対して第三者を介して打診があった場合に、野党統一候補として戦っていただく場合は無所属で出ていただく方が望ましいと考える、ということは申し上げました。

Q:小池さんの公約の中に東京都でCDC(疾病対策センター)を作るという話があります。東京都にCDCを作る構想をどう思うか

 CDCの存在や作ることについては、国家にCDCがいると思っているので、東京都のような巨大な都市でCDCがあるというのは、国も持っていない中でどういう組織になるのか詳細お伺いしてみないとわからないと思います。
 一方で、東京都のコロナ対策について言えば、当初の情報公開は非常に不足をしていたと思っていますし、検査数も他の都道府県に比べれば非常に少なかった。CDCを作るという前に、2月以降の東京都のコロナ政策の検証は、この東京都知事選挙において必要ではないかと思いますし、いたずらに批判をするつもりはありませんが、4年前の小池都知事の公約をどういう形で実現されたのか検証することも、この都知事選挙にとっては大切な争点のうちの一つではないかと考えています。