2020年5月27日
私鉄総連がコロナ対策で枝野代表に第2次緊急要請
日本私鉄労働組合総連合会(田野辺耕一中央執行委員長)は27日午後、新型コロナウイルス感染症に対する2度目の緊急要請行動を行い、枝野幸男代表に要請書を手渡しました。私鉄総連からは池之谷潤交通政策局長、宮崎功一政治政策局長が参加し、逢坂誠二政務調査会長と辻元清美団体交流委員会が同席し、組織内議員の森屋隆参院議員が進行役を務めました。
池之谷交通政策局長は「前回4月のバス事業に関する緊急要請では、ただちに国交省に働きかけていただき、運転席のビニールシート防護や一部座席の使用禁止など即日事務連絡が出され、現場の運転士から感謝の声が寄せられた。現状は、大手・中小を問わず民鉄・バス・タクシーなど今までに経験したことのない打撃を受けている。鉄道だけで2000億円を超える欠損がでており、貸切バスは壊滅的。路線バスでも埼玉の事業者が経営破綻した。交通産業や旅行関連産業への影響は今後数年続くことが予想され、同時に第2次感染拡大への備えも必要だ。第2次補正でぜひ国としての支援をお願いしたい」と現状を説明しました。具体的要請事項として全業種共通の要望として(1)交通従事者がエッセンシャルワーカーであるということを医療従事者と同様に国民にアピールするとともに危険手当の支給を行うこと、(2)経営基盤が脆弱な事業者への特別融資や債務保証、(3)地域公共交通確保維持改善事業の特例・拡大適用、(4)雇用調整助成金の早期支給、(5)公共交通車両をクラスターにしないための設備や車両の改造費用への補助制度創設と公共交通ガイドラインの策定・周知徹底、マスク・消毒液などの優先供給――を要請しました。また鉄道・バス事業については、(6)休校・自粛等による通学・通勤定期などの損失補填や欠損補助、(7)感染防止対策への補助、(8)法人税・固定資産税・自動車関連諸税の猶予・減免、(9)貸切バス事業のガイドライン作成と車両改造への補助――を求めました。タクシー事業については、特に歩合制賃金が主流のタクシー運転者への生活支援が必要だと訴えました。最後に、持続可能な公共交通の維持・事業の安定にむけて、影響の長期化に対応した大胆な基金の創設を要請しました。
枝野代表は「緊急事態が解除され、通勤・通学はある程度戻るかもしれないが、それ以外は相当な時間がかかる。公共交通の現場は止めることのできないエッセンシャルワークで、地域の経済や生活を支える欠くことができないものだ。しっかり支援できるよう引き続き取り組んでいく。東日本大震災での復旧復興特例を改めて調べ直して、地域の中小事業者を支える仕組みが作れないか検討したい」と応えました。
逢坂政調会長は「私鉄の皆さんの課題は大手から中小まで幅広く、きめ細かい対応が必要だ。政府・与野党連絡協議会で2次補正の論議をしているが、感染防止対策補助金ができるが額が小さく不十分。引き続き強く要請していく。新しい生活様式が求められる中で、今までのような定員での運行は難しい。こうした対策もしっかり進めていきたい。個人タクシーの方は持続化給付金の対象になるが、会社の方は対象にならない。運転手さんの実態をしっかり把握し訴える中で、どういう支援策があるか政府に検討を求めていきたい」と協議状況を報告しました。辻元議員は「前回のバスの要請についてはすぐに国交省に要請し対応することができた。すぐやる必要がある事案があれば教えて欲しい」と今後も継続して政府に制度改善を求めていくと約束しました。