世界連邦日本国会委員会(会長:衛藤征士郎衆院議員、事務総長:中川正春衆院議員)が11日、国会内で総会を開催し、立憲民主党からは福山哲郎幹事長が出席、あいさつをしました。
同委員会は、1949年に発足した議員連盟で、現在は120名の超党派議員が参加しています。創設宣言文には、「世界的な恒久平和のために、われわれは、国際連合を一層完璧なる国際組織体にまで発展させなくてはならない、それには、各国の行政区画をそのまま認めながら、全世界の国家と人民を包摂する世界連邦システムによる人類統合の世界的組織体に改変しなければならない。その実現のための世界的運動に熱意をもって参加・協力することは崇高な道義的義務である」とあります。
これを受けて日本の国会では、「政府は日本国憲法の恒久平和の理念のもと、世界のすべての人々と手を携えて、持続可能な人類共生の未来を切り開くために、世界連邦実現への道を探求するべき」との決議文が、衆参両院で決議されました。
冒頭、同委員会の顧問を務める伊吹文明元衆院議長は、「1949年は戦後の混乱期で、戦争に対する反省があり、理想を持っていた。今、国際機関の力が非常に弱まり、世界の最大の危機である。理想を失うことなく、現実に立ち向かおう」とあいさつしました。
立憲民主党を代表してあいさつした福山幹事長は、「コロナの問題で、グローバリゼーションの世界が変わりつつある。一国中心主義、分断、核軍縮の停滞、そこにコロナという全世界を覆う課題が投げかけられた。30年前にグローバリゼーションが始まり、一つの山があった。次の30年間の世界的秩序をどう描くのか。その中で日本はどういう役割を果たすのか。1949年の崇高な理念をもう一度思い出し、次の世代につないでいける国際社会をつくっていこう」と述べました。
国連事務総長特別代表を務めた経験をもち、同委員会の座長をつとめる長谷川祐弘・日本国際平和構築協会理事長は、「日本では150年前、黒船が来て、260の藩が結集した。コロナ、環境破壊、核軍拡などの黒船が来ている今、世界の国々が結集するべき。日本も一国中心主義に陥らず、世界の問題の解決に貢献する時ではないか」とし、米中関係の仲裁、感染症予防の国際協力、コロナ予防対策基金の創設などを積極的に牽引することを提案しました。