枝野幸男代表は13日、全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)と国会内で懇談し、新型コロナウイルス感染症に関してトラック運輸産業から 、(1)マスク・消毒液等の衛生用品(2)トラック運輸産業に対する国民の理解と協力(3)トラック運輸産業に従事する労働者の新型コロナウイルス感染時の補償ならびに雇用調整助成金のさらなる拡充――の3点について緊急要請を受けました。逢坂誠二政務調査会長、団体交流委員長の辻元清美幹事長代行が同席しました。

 難波淳介中央執行委員長は、「新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、政府から緊急事態宣言が発出され、在宅勤務など外出自粛が求められるなか、私たちトラック運輸産業は、食料や生活必需品はもとより、医療関係法品・医薬品など、国民生活や生命にかかわる輸送を担うライフラインであると自負している。このような状況下、多くの企業においては、企業業績が悪化するなかにありながらも、従業員の健康確保はもとより、取引先や配送先のお客様への感染防止の観点から、さまざまな取り組みを実践している」と現状を説明。しかしながら、マスク等の在庫が枯渇するなか、ドライバーがマスクを着用していないことを理由に配送先の物流センターで出入り禁止や荷受けの拒否、除菌スプレーをまかれるといった誹謗中傷を受け、平常時でも人手不足のなかさらにその状況が加速する恐れがあると訴え、早急に対応してほしいと求めました。

 枝野代表は、「トラック物流の皆さんが、感染の不安を抱えながらも事業継続、働いてくださっていることによって多くの皆さんの暮らしが支えられている」と感謝の意と敬意を表し、「それにもかかわらず、そうした皆さんに対し、一部とは思いたいが偏見というか、差別的というか、心ない対応が出てきていることを残念に思う。そうしたことがないよう、医療関係者の皆さんなどのように目に見える形で支えてくださっている方だけでなく、目に見えないところで頑張ってくださっている方がいるからこそ社会が成り立っていることを伝えていきたい。ご要望頂いたマスクや消毒液など、しっかりと確保されるよう求めていきたい」と述べました。感染時の補償や雇用調整助成金のさらなる拡充についても、「いま現在の生活を支えていくことに加え、いずれどこかのタイミングで収束に向かったときにも物流が機能しなければ他の経済対策で何をしようとほとんど意味がない状況になる。仕事がなくなって経営危機に陥っている皆さん、事業者に対する休業補償とともに、雇用助成調整金については10割補償に加え金額などについてもさらに緩和しなくてはいけない状況だと思う」との認識を示し、いただいた要望を政府に伝えていくと力を込めました。

 逢坂政調会長は自身もかつて物を配達する仕事に担っていたと明かし、「孤独でつらい仕事だと認識している。誹謗中傷が起こるのは本当に悲しく、責任感を無にするようなことで心を痛めている。政府・与野党連絡協議会とは別に新たに作る、政府に要望を伝えるルートを通じて迅速に伝えていきたい」と表明。雇用調整助成金については、当初よりは使い勝手が良くはなってきたがまだ不十分だとして、「ここがセーフティネットとなるよう強く要請していきたい」と述べました。

 最後に、辻元幹事長代行は、政府の経済対策の問題点を指摘するとともに、トラックドライバーへの誹謗中傷などに対してはこれを禁止するよう、しっかり発信していきたいと応じました。

2020年4月13日 新型コロナウイルス感染症に関するトラック運輸産業からの緊急要請.pdf