令和元年(2019年)度予算案の基本的質疑が行われた29日の参院予算委員会後、同委員会理事懇談会が行われ、その後蓮舫筆頭理事が記者団の取材に応じ、次のように語りました。

 今、理事懇が再開され、異例の形ですが、与党側から明日の日程協議には入れないという申し入れがありました。その理由について、私たちとまったく同じだったので、それを了といたしました。理事懇は休憩、30分後に再開します。理由としましては、議場内で筆頭間協議をしたのですが、今日の委員会の対応、与党、自民、参議院自民党幹部が、あまりにも不誠実だったということです。

 一点目、自民党の小野田議員が、わが党の杉尾議員が質問をしているときに、たまさか女性の政府委員が2人並びました。それで科研費、iPS細胞について質問したのですが、それに対して小野田議員が「女性軽視だ」と複数回言われました。ちょっと意味が分かりません。野次にもいろいろあると思いますが、あまりにも質問内容と違う野次だったので、意味が分かりません。

 衆議院の本会議で、杉田さんと見られる方が、夫婦別姓制度について「だったら結婚しなければいい」と言った、そのことが問題になった矢先に、あまりにも自民党の委員の緊張感が欠けているということを問題視したら、自民党がそれをお認めになって、このことについては本人に、どういう意図で女性軽視と野次ったのかを聞いていただき、宿題を返していただくことになりました。

 二点目、私の質問中に自民党参院の世耕幹事長がSNSを使って、質問時間が40分過ぎているのに肺炎のことについて聞かないのはおかしいというようなツイートをされました。与野党が合意をして、委員会は円満に動いています。そこにおいては各会派の質問の配分は当然各会派に任せられているし、議員の質問権は守られています。

 今日、私たちの会派のすべての質問を聞いていただければ、新型コロナウィルスの肺炎、IR、桜、自衛隊中東派遣、拉致、それぞれの質問者が質問を住み分けて重ならないように聞いているのに、それを聞き終えもせず、私の質問中に批判をするようなツイートをしたことは、自民党としても不適切だと考えているということです。これは私の方から、是非、世耕幹事長には反省をしているというのであれば、ツイートを使ってしっかり訂正していただきたいということを要請しました。これは自民党が持ち帰りました。

 三点目、これは大変大きな話で、参院の予算委員会の国政調査権が、大塚官房長によって侵害をされました。1月16日の参予算委理事懇において、内閣府の酒田課長に対して、内閣府、内閣官房の総理の政治枠の推薦の締め切りの流れを確認したところ、紙で明快に2月8日締め切りと書いてあります。今日、大塚官房長は、委員会に紙で提出したものが本当ですと仰いましたけれども、そうであれば今日の大塚官房長の答弁でいえば、総理推薦枠だけがこの2月8日の数日後だったと言いました。ならばここに数日後に総理と平成30年の締め切りの紙と横並びに記載されなければならないのが記載されていない。これがもう虚偽答弁です。

 二つ目は、1月27日の理事懇ですが、私の方から、2月8日の締め切りを過ぎて内閣官房を含む他省庁に対して遅れて推薦名簿が提出されたことがあるか、という質問に対して、これは酒田課長が明快に、政治枠である内閣官房総務官室の締め切りを過ぎて提出がないということを、委員長もすべての理事も確認をしたものを、今日大塚官房長は国会の答弁の中で、そうではなくて、政治枠、総理、内閣官房の推薦名簿は数日後に設定されていて、それが正しいですと言いました。

 つまり、(国会法)104条の国政調査権にある理事懇で説明したものを委員会で全部ひっくり返されたら、私たちは何を信じて。政府の出す資料、政府の言う説明を信じてつくったものが委員会の質問でひっくり返されたら、質問できなくなります。だから国政調査権が保たれている、それが官房長の答弁で軽く覆されたことは、大変私たちは問題視をしておりますので、明日からの予算委員会の出席には応じられないと言ったところ、公明、共産、維新も全員が賛同いただきました。

 それでいったん休憩。これをどのように正すかは自民党に宿題を渡しましたので、再開するときに答えが来ると思います。

 その後、理事懇が再開。終了後、蓮舫筆頭理事が記者団にその内容について次のように報告しました。

 再開された理事懇ですが、自民党から宿題返しが来ました。まず自民党世耕参院幹事長の不適切なツイート、質問内容を評価するかのような、会派の質問権を否定するかのようなツイートについては、予算委員会外の発言なので、自民・立憲会派の国対委員長同士で引き続き協議ということでした。協議するのは結構ですけれども、ツイート内容が予算委員会の中での質問内容について、しかも全体を聞き終わる前での見切りの内容なので、私からは福岡筆頭に、予算委員会でそれは了とはできませんので、明日の理事会までに何らかの措置をとっていただけるよう要請をして、どんな措置をとったのかは明日の理事会で報告していただけることになりました。

 小野田議員の不適切野次ですけれども、ご本人に聴取をしたところ、ご本人の思い込みで、そのような女性軽視という野次につながったということです。この思い込みについては、私は納得はしていません。ただ、厳重注意をして、申し訳ないという反省の弁があったということですので、この件は杉尾さんに伝えたいと思います。杉尾さんが了とするかはまだ分かりません。

 河野大臣の不遜な態度については、自民党参院の中で、次席理事が直接大臣に電話をして、野党からこういう指摘があったということを申し上げたら、申し訳ありませんという謝罪があったということで、これも明日以降の河野大臣の態度をもう一回確認させていただくということになりました。

 酒田課長、大塚官房長については、予算委員会の答弁と予算委員会理事懇の国政調査権に基づいた質問に対する答弁、並びに提出した紙が齟齬をきたしていたので、明日、委員会の冒頭で説明、謝罪を行いたいということでした。

 ただ、私からも、維新、共産からも出た声としては、それは質問準備に資する国政調査会の理事懇で提出された紙が間違いだったというのか、そうではなくて委員会での官房長の説明が間違いだったのか、ということで意味合いが随分違ってきますので、いきなり明日委員会での話を聞いて謝罪を受けるというわけにはいきませんので、明日は8:40に理事懇を開いて、まず酒田課長、大塚官房長からどういう趣旨の発言と謝罪をされるのかを聴取します。それで各党、各会派でそれが本当に私たちの国政調査権、ならびに委員会の運営として適切なのかを議論をした上で、理事会に切り替えて委員会質疑に入っていくということを確認しました。

 いずれにしろ論点は明確で、2月8日がすべて推薦名簿の締め切りでした。総理推薦名簿を内閣官房総務官室から遅れて提出はしていませんでしたと理事懇で説明していたものを、今日私が、2月8日締め切りなのに、総理の安倍事務所の時点での締め切りが2月20日じゃないですか、取りまとめはもっと後じゃないですか、招待状発送までに間に合わない、つまり取りまとめをしていなかったんじゃないですかという、パネルを見てから答弁が変わっているわけですから、どう考えても疑惑は拭えませんので、明日の説明は「傾聴に値する」と思っています。以上です。