2020年1月27日
【愛媛】伊方原発で一時全電源喪失に「稼働を続けるのはリスクが高く、安全だという説得力が失われている。自ら停止を」枝野代表
枝野幸男代表は26日、愛媛県の伊方町で和菓子店とみかん農園を視察。その後、記者団の取材に応じました。記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q:田村菓子舗と中村みかん農園を視察しましたが所管を
なかなか厳しい条件の元だと思いますが、地域をしっかりと支えていこう、伸ばしていこうと努力をされて、しかもそれが前向きに進んでいる。田村菓子舗もそうだし、それが子どもたちや教育と結びついている。それから伝統ある柑橘産業でも、いろいろと工夫をされて頑張っておられる。そういった意味では非常に前向きな、明るい視察をさせていただいたと思っていますが、これをどう活かしていくのか、地域だけではできないことがたくさんあるのは間違いないので、そこをどう国としてバックアップできるか、頑張って行かなければいけないと決意を致しました。
Q:具体的な課題としてはどういうところが挙げられるか
一つは、一次産業について人手の問題はこの地域に限らず、どの地域でも深刻な問題でありますが、後継者が後を継げるような環境を作っていくこと。それから、それだけでは人手を要する、柑橘もそうですが、そういう一次産業がたくさんありますので、そこに必要な人員をどう確保していくのかは、地域だけではできない。国全体としてどういう手当てができるか、簡単ではないと思いますが努力したい。
Q:愛媛4区総支部長の杉山啓さんと視察をされましたが、愛媛4区をどのように情勢分析されているか
地元に縁のある、しかも若くて元気な方が決意して故郷に戻り活動を始めてくれました。簡単だとは思いませんが、あえて申し上げれば、いわゆるアベノミクスのしわ寄せを一番受けている地域の一つだと思っています。しっかりとこれを変えていけば地域の元気が出るんだという、将来の明るい展望を伝えていくことができれば十分戦えると思っています。
Q:自民党は愛媛4区に元副知事の長谷川さんを擁立予定ですが
相手がどなたであるかよりも、おそらく次の総選挙で問われるのはアベノミクスのしわ寄せ、副作用をどう改善していくのか、立て直していくのかという事こそが争点だと思っています。相手が誰であれ、結局まさに自民党内は安倍一強なので、それはどうなっても変わらない。やはり政権そのものを変えていかなければならないと、しっかりと杉山くんには訴えてもらいたい。
Q:昨日、伊方原発で一時全電源喪失するという事態があった。原発についてはどのようにお考えか
その前にも制御棒を抜き出してしまう、そして今回の電源。どちらも初歩的であり、同時に大変重大な事故につながりかねない問題を相次いで起こしている。しかも先日、裁判で(運転を認めない)仮処分が出て、その前後ですから、緊張感を持っておられるはずのときに、こうしたことが相次いでいる。人間のやることなので原発に絶対の安全はないということが改めて証明されたのではないか。特にこの地域は、万が一の場合の避難についても大変厳しい状況にあるので、いま無理に稼働するのではなく、しっかりと原発に代わる電力と地域の活性化策をしっかりと出していきたい。
この状況で稼働を続けるのは、あまりにもリスクが高すぎるし、安全だという説得力が失われている状況だと思っています。自ら停止をされるべきだと思います。
Q:果樹園の方との話の中で、後継者の話もそうですが、特に米国との2国間協議について不安を感じられている点があったと思いますが、立憲民主党として政府にどのように迫っていくか
2国間協議はわれわれ国会で問いただしても、そもそもの位置づけそのものからして説明をいただいていないので、影響を受ける一次産業の皆さんは強い不安を持たれるのは当然のことだと思っています。まずは交渉の性格・位置づけ、そしてここまでの交渉の経緯、もちろん外交交渉ですから、すべては言えないにしても、あまりにも秘密主義すぎる。過去の通商交渉と比べても、すべてが黒塗り状態と言っていいような状況だと思っていますので、こういう状況であるならば、協議を進めること自体、反対せざるを得ないと思っています。
Q:都知事選について、先日テレビ番組で長妻昭選挙対策委員長が野党統一候補について、世論の機運が高まればれいわ新選組の山本太郎さんの擁立に余地があるとの発言があったが
今の時点で党本部としても、おそらく都連もだと思いますが、どなたかの固有名詞を挙げて検討しているということありません。どなたについても固有名詞について申し上げることありません。
Q:自民党の石破茂議員が国民投票法のCM規制について必要だとの認識を示したが
当たり前のことをおっしゃる方が石破さんしかいないという今の自民党のダメさを示していると思います。それがなければ先へ進みようがありませんから。
Q:明日から衆院予算委員会、どのような内容を迫っていきたいか
先日の代表質問でこれからの予算委員会で詰めていくべき主要項目についてはお示しをさせていただいた。それをしっかりと仲間がそれぞれ役割分担しながら細かく具体的に詰めていってくれると思っています。片道方式ではなくて一問一答で詰めていけば、より明確に安倍総理の答弁が支離滅裂であることが有権者の皆さんに伝わると思っています。
Q:桜を見る会、IRについてはどのような形で追求していくか
いよいよ明日から具体的に仲間が詰めていきますので、あまり手の内を先に申し上げるべきではないと思っています。
Q:河井杏里参院議員が昨年の参院選に絡み1億5千万円を党本部からもらい、本人も認め、違法性はないということですが、一方で、他の候補者からみたら10倍もらっているという、ある種特異な状況になっていると思いますが
一般の有権者の皆さんの立場からすれば、1回の選挙でそんなに使うのかという大きな疑問は既に共有されていると思いますが、先ほどの石破さんの発言の話ではありませんが、自民党内から、それこそ怒りの声が上がらないとすれば、みんな1億5千万円も貰ってるんですかという話でありますし、こんな恣意的なことを、どなたがされたのか知りませんが、それに声も上げられない自民党は、本当に安倍総裁以外は何人国会議員がいても意味がない政党なんだという証明だと思います。
Q:党政務調査会で先日、不妊治療等に関するワーキングチームの立ち上げがありました。逢坂誠二政調会長ができるだけ早期に政策提言をしたいとのことでしたが
私自身もライフワークとして従来から折に触れて言ってきた話でありますが、今回代表質問で取り上げたことなどを踏まえて、早急にチームを立ち上げてもらい良かったと思っています。第一弾の提言は一度早期に、まずはということで上げてもらいたい。将来的には、保険適用が良いのか、それとも保険適用に準じた形で補助をするのがいいのか、これは一長一短あるので決め打ちすることよりも、できるだけ早く実際にいま困っていらっしゃる方が喜んでいただけるような結果を出すこと大事だと思います。
取材後、枝野代表は伊方町と八幡浜市内で杉山愛媛4区総支部長の集会に参加しました。