全国林野関連労働組合の新春旗開きが6日午前に都内で開催され、野党各党と林野庁、労働福祉団体の幹部があいさつしました。立憲民主党を代表して枝野幸男代表がスピーチしました。

 篠原明中央執行委員長は主催者あいさつで「昨年は民有林に関わる大きな出来事として、森林環境税・譲与税の制度化と新たな森林管理システム、森林経営管理法の成立があった。昨年の旗開きで、林業関係者の人員不足について自治体任せにせず、国が引き続き主体的に関わりを持つこと、特に処遇改善について林業関係者が一体になって取り組むことを訴えた。昨年の森林経営管理法の国会審議の中で内容のある付帯決議を獲得することができた。国有林野での民間活力導入についても、林業の成長産業化という政府方針のなかで、投資対象にされ森林整備の担保がないまま生産事業・収入確保を優先されることがないよう付帯決議をつけていただいた。林野労組として労使交渉だけでなく、今日ご参加いただいた各政党、超党派の森林政策議員懇の皆さんの協力を得て取り組んでいきたい。国策として林業や農水産業など一次産業の成長化が必要ということは、裏返せば都市部への一極集中や農山村の疲弊が進んでいる現在の日本社会のあり方に問題があるということだ。われわれが携わる森林・林業・木材関連産業は、日本社会や地方の産業構造に新たな方向を示しうる産業だ。地球環境の悪化、温暖化の進行、自然災害の多発のなかにあって、その歯止めになるよう林業を通じて課題解決に取り組むとともに、日本の森林・林業・木材関連産業政策の推進にむけ取り組んでいきたい」と決意を述べました。

 枝野代表は「今年はいろいろなものが変わっていく一年にしていきたい。ここ3、40年続いてきた私たちの社会のあり方が限界にきている。競争すれば世の中良くなる、民間に委ねれば世の中良くなるという社会のあり方のなかで、社会が分断された30年だった。その象徴が民間委託で大失敗した大学入試改革であり、公営でしか認められていなかったものを民間に委ねようとしたカジノ汚職事件だ。行き過ぎた矛盾が噴出している。いま必要なのは『分かち合う豊かさ』と『支え合う安心』だ。これをしっかりつくる政治へと転換する第一歩となる年にしていきたい」と訴えました。