枝野幸男代表は26日、定例の記者会見を開き一年を振り返りました。

 枝野代表は、「日本の政治が大きく転換をし始めた年と後々位置づけられる一年だったのではないか」と語り、「官から民へ」「民間でできることは民間で」「民間活力の導入」といったことが日本の政治経済の潮流であった時代がかなり続いてきたが、それらはもう時代に合わなくなっており、顕著に現れてきたのが今年一年だったのではないかと指摘しました。
 そして、「(そうしたことが)権力を私物化し、情報隠ぺいをする桜を見る会の問題であり、IRをめぐる問題であり、かんぽ事業にまつわる問題であり、大学入試(の問題)」「官がしっかりと責任を負うべきところまで民間に放り投げる結果として、社会が壊れていることが明確になった一年」だと振り返り、「これを転換していくのが立憲民主党の責任・役割であり、来年以降にそれをどれくらいのスピードで転換できるかが日本の未来を大きく左右していく」と話しました。
 さらに「問題点、あるいは進んでいく方向がより明確になってきたので、来年はさらに自信を持って前に進んでまいりたい」と語りました。

 その後の記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:IRをめぐり秋元司議員が逮捕されたことの受け止めと、今後カジノに関してどういう構えで対応していくのか

 カジノに関しては、反社会的勢力がこれを悪用、利用するのではないかを含め、従来からやるべきはないと一貫して申し上げており、国会でもそういう対応をしてまいりました。
 進めていた人間自体が反社会的勢力だったいう問題だと思っていますので、カジノの正当性そのものが根底から覆った問題として、年明け以降もしっかりやっていきたい。
 安倍内閣の副大臣としての職務権限に基づく疑獄事件でありますので、政府として総理や官房長官が明確に見解を示されるべき。

Q:ともに戦おうと呼びかけたことに関して、いま何合目という認識か

 幹事長間の詳細な報告は受けておりませんが、ともに戦うということをより強力に進めようとすればするほど、さまざまな実務的に解決しなければならない壁がある。そうした実務的な問題について概ね協議は順調に進んでいるとの報告を受けております。
 一方で根本的な問題については、そもそも共同会派を組んでその中で十分に共有できていることを前提に呼びかけさせていただいておりますので、そういう認識に立って前に進んでいくならば早く結論を出したいと思っています。

Q:関連で、先日のテレビ番組の収録で「政治的な方向性は年内に結論を出さないといけない」とおっしゃっていましたが現状はそれに至らないのではないか。また、昨日の国民民主党の玉木代表の会見で、根本のところでなかなか折り合ってないとおっしゃっていた。枝野代表との認識と違う部分があるのか

 私は根本的なところについて共有が出来たと思ったので呼びかけをさせていただいている。
 それから、私は期限は切りませんが、国会が(1月)20日には遅くとも始まるいうことは客観的な現実としてあります。私の呼びかけはさまざまなバリエーションがあると思っていますが、どういう結論を出すか。もし、より強力な形でともに戦っていくためには、年明け早々から、実務的・具体的な動きを顕在化させないと間に合わないのははっきりしていると思います。

Q:来年の通常国会ではどういう論戦をしていきたいか

 桜を見る会については年が変わっても、むしろここからの本格的な追求である。そしてIRの問題については、カジノの正当性そのものの根拠が揺らいでいるというか覆っているという前提で国会論戦に挑んでいきたい。それ以上のことは戦略・戦術のことなので申し上げるべきことだとは思いません。

Q:呼びかけについて、年内に方向性を出さないといけないという思いは変わっていないか

 相手のあることですが、私はそれぐらいに判断をしていただかないと間に合わないとみています。

Q:海上自衛隊の中東派遣に関して、政府は明日にでも調査・研究を根拠に閣議決定しますが、代表のお考えを

 まだ決まっていないし、国会が開いている間は決めない、何も説明しないということでありましたので、なかなか申し上げにくいところはあるのですが、もし本当に調査・研究という目的で派遣をするのであれば、一つにはその目的の正当性について全く根拠が理解できない。いま急に調査・研究をしないと、わが国の安全保障に大きな影響を与えるような変化が生じているわけではない。もしあったとすれば相当前の話であるし、そこで調査・研究することでわが国の安全保障にどう影響を与えるのかについても、今のところつながりとなるようなことは示されていない。
 その上、間違いなく一定のリスクがある地域ですので、派遣をされる自衛隊の皆さんの安全確保という観点からも非常にリスクがあると思っています。そのリスクがある一方で、それを超えるだけの調査・研究の必要性・蓋然性というものは認められないので、もし本当にそういった決定をするのであれば、厳しく国会で問いただしていきたい。

Q:野党党首会談や幹事長会談にれいわ新選組の山本太郎代表が出ていませんが、今後も出席することはないのでしょうか

 ともに戦う呼びかけをした党首会談は会派を共にしている皆さんに対する呼びかけですので、そういう範囲で呼びかけをさせていただきました。他に行っている共産党さんなども含めた党首会談は基本的には国会対策委員長などのところでの段取りを踏んで行ってくるものですので、国対委員長にお尋ねください。

Q:8年目の安倍政権にどう対峙していくか

 安倍政権7年に変わるものという小さなスケールでは、いまの日本の時代的要請に応えられないと思っています。あえて言えば、私は三公社の民営化は正しかったと、大きな方向では思っていますが、中曽根内閣から始まった大きな社会の変化・政治の潮流が、ある時期までは正しかったのかもしれないが、間違いなく時代に合わなくなってきた。それがいま安倍政権の下で顕在化しているという、もっと大きな捉え方をしていかないと時代状況に対応したメッセージを出していくことはできない、あるいは解決策を出していくことはできないと思っています。

Q:初鹿議員が離党しました。立憲民主党の結党時に候補者の身体検査は指示したのでしょうか

 一般論として申し上げますが、2017年の立憲民主党が結党した総選挙においては、その前の段階で、民進党の公認候補であった方については一切排除の論理はとらないということは明確に申し上げて、その通り対応しました。

Q:望月義夫元環境大臣の死去に伴い、静岡4区の補欠選挙が来年4月にも行われる見通しですが、野党第一党としてどのような姿勢で臨むか

 望月さんと深いお付き合いがあったわけではありませんが、大変素晴らしい人柄の方であったと私も強い印象に残っておりまして、心からお悔やみ申し上げます。
 まだ亡くなられた直後でございますので、いま具体的なことを申し上げるのは、亡くなられた方にも失礼な状況ではないかなと思っています。

Q:IRの関係で、解散して信を問う必要性が増したとお考えになるか、解散の時期に与える影響は

 解散権は内閣にあります。私は本来の憲法の解釈としては違うのではないかと思いますが、憲法慣習として自由裁量で解散権を行使できるとなっていますので、われわれの立場としては、有り得べき1番速い場面の想定で構えておかなければならないと一貫して申し上げております。昨年の秋の状況では12月を想定していましたし、現時点、今日の時点でもまだ2月総選挙のつもりで構えております。あくまでも解散権はあちらにあるということであります。
 信を問うべき状況かについては、野党としては常に信を問いたい状況である立場だと思いますが、このIRについては、まず説明していただかないといけない。捜査上の秘密ということがあるかもしれませんが、例えば秋元副大臣当時の出張記録などは、そのこと自体が捜査と関わりがありませんから、そうしたことを含めてまずはきちんと説明責任を果たすことを求めていく必要があると思っています。同時に、カジノ管理委員会ができるらしいですから、早く施行を止めないといけない。廃止法案をちゃんと議論していただく方が先だと思います。

Q:IRに関連して、横浜市長選で党所属の牧山議員や山尾議員が林市長の応援演説をしていましたが、有権者にどう説明しますか

 林さんに投票したかなりの人たちも含めて、選挙の時におっしゃっていたことと違うのではないかと声を上げておられる。そうした声を上げている一人だと、いま名前が挙がったわが党の関係者の立場は、思います。

Q:和泉補佐官の週刊誌報道について、どうお考えか

 この件について間違いなく問題であるのは、公私混同が行われていたという大変濃厚な疑いがある。つまり公務の出張と私的な旅行とを抱き合わせにしていたこと自体が、どう説明ができるのか。
 それから、そもそもその出張の必要があることだったのか、お二人の官僚が行かれているわけですが、なぜこの組み合わせであったのか、いまの段階で必然性はまったく説明されていない。
 なおかつ、そこで公務として行われたことが、どこで意思決定をして、どういう根拠でしたことなのか、これもはっきりしていません。これらについて官房長官はきちんと説明する責任があると思っています。