立憲民主党の災害対策局(岡島一正局長)は19日、台風19号で甚大な被害が出た長野県を訪問し、千曲川の決壊現場と浸水地域、リンゴ園と北陸新幹線車両基地などを視察し、県庁で阿部守一県知事と面談、状況説明と要望を受けました。災害対策局長代理の森山浩行衆院議員と武内則男、高木錬太郎、須藤元気次長と奥村政佳参院総支部長が視察を行い、長野県連合の杉尾秀哉代表と埋橋幹事長(県議)が同行しました。以下は災害対策局の調査報告です。

長沼・決壊地点

 千曲川は霞堤含め川幅1キロに及び河川敷ではスポーツ施設やりんご栽培、地域で堤防を守る「桜づつみ」事業も行われてきたところです。もともと周囲の土地が川より低い天井川であり、地域で語り継がれてきた江戸時代の「戌の満水」と呼ばれる大規模決壊があった「長沼城跡」付近が今回も決壊のポイントで、外側からえぐれた堤防が決壊しています。監視カメラの映像が発災当日午後2時以降は確認できなくなっており、今後の調査で上から越流したか堤防の間を水がすり抜けるパイピングか、原因究明をした上で上下流や対岸で使用されている鋼矢板を使うかどうかなどを決め、本格復旧工事に取り掛かります。

穂保地区

 川の真横の被災地。江戸時代の決壊では「5メートル」の高さまで水がきたとも。軒並み建物の一階は完全に水没し、車はもちろん、家ごと300メートル流された例も。「ハザードマップで1000年に一度レベル、と示されていた通りの被害範囲だった」との地元の方の言葉が印象的。この地域はいち早く全ての家屋に「全壊」認定がおりていますが、実際は一階の壁が抜けた状態で柱などがしっかり残っていて撤去はまだまだこれから。家を建て直すこともできますが、およそ2割の人は引っ越しを考えているとのことです。農業ボランティアもこれまでに6000人から7000人が駆けつけています。アップルロードにあたるこの地区では水に浸かって出荷できないリンゴが地面に集められ、山のようになっているとともに、りんごの木が窒息しないよう、根元から半径60センチの泥除去など精力的に活動を展開中です。

長野新幹線車両センター(長野市赤沼)

 もともと水害の多い場所に2メートルのかさ上げでつくられたセンターからの車両避難が間に合わず、北陸新幹線10編成120両が被災・廃車となりました。ハード面ではこの場所での10メートルのかさ上げなどの案が出ていますが、ソフト面含め今後の対策が待たれます。

阿部知事と面談

 県庁で阿部知事と面談、状況説明と要望を受けました。復旧にあたっての補正予算の早期成立や入り組んでいる河川の管理権限を国で一元管理すること、河川内の浚渫(しゅんせつ)、代行バス経費の全期間補助など具体的な要望に加え「単なる復旧では住民は安心できない。改良復旧こそ大事なので補助の制度見直しを」「報道が減り、被災地が忘れられるのではないかと不安。国からインバウンド含めさらに強い復興へのメッセージを」との強い要請を受け、私たちも精一杯取り組むことをお約束しました。