2019年11月5日
【福島】いわき市の台風19号被害を枝野代表が視察
枝野幸男代表は4日、台風19号による災害状況を確認するため福島県いわき市を訪問しました(写真上は、災害ごみの集積場所になった平窪公園を視察する枝野代表)。
夏井川の決壊場所を複数視察した後、災害ごみの集積場所になってしまった平窪公園を視察しました。さらに現地対策事務所が設置されており自衛隊により入浴サービスが実施されている市立第4小学校では渡辺仁副市長から話を聞き要望書を受け取りました。そしてボランティア支援物資の支給所となっている下平窪公民館では、スタッフの方から話を伺いました。今回の視察は古市三久県議会議員(いわき市選出)の案内で行われました。
夏井川は複数箇所で決壊、幅1メートル程度の用水路との接点から大きく決壊するなど家屋1階部分の半分が水没するような被害が多く発生しました。また今回の氾濫の特徴として、河川に堆積していた砂が流出。河川付近では泥ではなく、大量の砂が押し寄せてきており、視察段階でも砂が積み上がったままの状況を見て取ることができました。
川に隣接し住宅街の中に位置する平窪公園は災害ごみの集積場所となっていますが、撤去が追いつかず公園の外にも溢れていました。また生活ごみも持ち込まれているなどの話もあり、衛生面を心配する声を聞くことができました。
現地対策事務所のある市立第4小学校では、渡辺仁副市長から(1)補正予算の編成と市町村への情報提供(2)県・市管理河川の復旧にあたり柔軟な災害査定の実施と早期復旧の支援(3)被災者生活再建支援制度の上限額や適用範囲の拡充(4)保育所や認定こども園、水道施設、下水道施設等の復旧ため補助率のかさ上げ(5)農林水産業者の生活再建に向けた各種支援制度の拡充と、商工業の復旧・事業再開に向けた施設・設備の導入にかかる経費の補助(6)被災した児童生徒の心のケアを実施するためのスクールカウンセラー派遣と、給食費や学用品等の支援を行う「被災児童生徒就学支援等事業」の早期指定――等の要望が出されました。
支援物資の支給所の下平窪公民館では、食料が不足している事や、東京電力福島第1原発事故の汚染物質が今回の台風19号などでどうなっているのか等の話を聞きました。
視察後、枝野幸男代表は記者団の取材に応じました。記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q:本日6カ所ほど視察をされましたが、いかがだったか
やはり大変深刻な、しかも広域な被害であることを改めて実感いたしました。
特にいわき市で特徴的なのは、発災直後に水が使えない地域が多かったことで、土・土砂などを取り除くことが1週間、10日くらい遅れているところがある。その分だけ生活に与えている影響も大きく、時間が経つほど泥の除去なども苦労が大きんじゃないかなと思っています。
もう1つは、災害廃棄物が住宅地の真ん中の集積所にあり、そこすら運び込めていない状況でかなり遅れている。市の方も努力をされているとうかがっていますので、自治体だけではやりきれないところがあると思うので、少なくとも2次集積地で住宅から少し離れたところに分別をしながら集めていけるように急いでもらいたい。
3点目は、水を少しでもかぶってしまうと全壊並みにご家庭の経済的な被害が大きい。われわれは被災者生活再建支援法の上限額が低すぎるということで法案を出してきましたし、また半壊や一部損壊に対しても柔軟に対応し全壊並みに支援ができるように強く求めていかなければならない。
以上3点、特に感じました。
Q:全壊並みに支援を求めたいということですが、今国会でどのようなアプローチをしていきたいか
1つは法律が無くても運用でできる部分がかなり大きいのではないかと思っていますので、被災者の皆さんから「どれくらい支援がもらえるのか、一刻も早く」という要望があるので、まず運用でできるところを最大限、プッシュをしていきたい。
自治体はじめ運用でどうしてもできない部分が見えてくれば、場合によって議員立法も含めて対応したい。
Q:国政に関して、先週河井克行法務大臣が辞任し閣僚が2週連続、辞任となりました。安倍総理は「任命責任は私にある」とおっしゃってますが、野党内では任命責任を果たしていないのではないかという声もあります。今後野党としてどのような形でこの問題を追求していきたいか
ようやく、水曜日(6日)と金曜日(8日)、衆参の予算委員会で総理に説明を求める機会を作ることができました。そこでしっかりとどう責任を感じているのかを問いただしていきたい。
何よりも英語民間試験の先送りが決まった状況でありますので、民間に委ねるというその根本的な問題を含めて、しっかりと本当の意味での抜本的な見直しにつながるように、場合によってはアルバイトの大学生が採点するではないかという意味では国語や数学についても同じような問題を言われていますので、そのことをしっかりとこの2つの予算委員会審議を中心に、問いただしていきたい。
Q:英語民間試験の延期を歓迎する声がある一方、準備を進めてきた学生側から振り回されているという声もあり、そういった方へのフォローも一部必要になってくるのではないかと思いますが、代表のお考えを
明らかに準備不足で突っ込もうとしていたことでありますので、このまま突っ込む影響よりも、立ち止まることはやむを得ないと思っています。
問題は、できるだけ早期に特に今の高校2年生の受験がどういうことになるのか、私は一番簡単なのは、今のセンター試験を当面継続するということであれば、どの学生さんたちも、あるいは学校関係者の皆さんも、従来のものが続くんだということで、一応わかりやすいし、一番公平だと思っています。中途半端なことをやるよりも、センター試験を継続することを早く決めていただきたいと思います。
Q:今日で臨時国会が始まり1カ月ですが、共同会派結成後初の国会で、この間に英語民間試験の延期や大臣2人辞任などいろいろありましたが、この1カ月を改めて振り返っていただき感想・受け止め等ありましたら
大きな構えで論戦に挑む形ができたことが一定の成果につながっていると思っています。また英語試験については、当事者の高校生など、まさに草の根の声とつながることができた。国会での大きな構えによる戦いと、有権者の皆さんと草の根とつながることの2本柱でこれからも頑張っていきたい。
Q:英語民間試験に関連して、野党内の一部では萩生田大臣の辞任を求める声や、国民民主党の玉木代表は不信任に値するということもおっしゃっていますが、代表のお考えは
まず、なぜこんなおかしな制度を作ることになったのか、私どもの承知している限りでは、一番の原動力になったのは、下村元文部科学大臣ではないかと思っていますので、この下村大臣当時の導入しようとした経緯、これが一番本質的な問題ではないかと思っていますので、ここもしっかりと問いただしていきたいと思います。