国税労働組合総連合(国税労組)が31日、議員会館で「国税職員の定員確保と処遇改善に関する陳情書」および署名を立憲民主党に手交し、税制調査会の海江田万里会長および道下大樹事務局長、経済産業部会の落合貴之事務局長、財政金融部会の櫻井周事務局長と意見交換をしました。
まず国税労組の岩井川剛・中央執行委員長が、最近の税務行政を取り巻く環境に関し、経済取引の国際化や情報通信技術を利用した取引の市場拡大に伴って調査・徴収事案の複雑・困難化が顕著となっていることを説明。国税職員が今後ともこれらの諸課題に的確に対応し、加えて軽減税率制度実施に伴う行政指導や還付審査事務増加および消費税率引き上げに伴う滞納増加に対応するため、「定員の確保」と「機構の充実」がぜひとも必要だと訴えました。
海江田万里議員が「還付金詐欺には、仕入れを膨らませ仕入れ控除の額を過大にして還付金を得る手口と、輸出を装った手口があると聞くが、どちらが金額的にかさむのか」と尋ねると、岩井川氏は、「輸出を装った手口の方が多額。中には、50億円や100億円の還付申請を出してくる架空取引もある」と指摘。経済取引の国際化に対応するための国際税務専門官の必要性などについても情報交換がされました。