2019年10月8日
【北海道】道北、宗谷・上川で農林水産業とJR北海道路線を枝野代表が視察
枝野幸男代表は5日から6日にかけて北海道を訪れ、日米通商交渉大枠合意を受けた農林水産業への影響調査、JR北海道路線縮小による地域への影響調査等のために視察を行いました。視察には北海道12区総支部副幹事長で網走市議会の川原田英世議員、磯部拓也稚内支部長が同行しました(写真上は、拓進ファームで牛舎を視察する枝野代表)。
【稚内市】
○宗谷岬より国境見学
稚内空港から北海道の地に降り立ち、まず向かったのは日本最北端の地・宗谷岬。潮風が吹き荒れる中、岬の先にうっすらと樺太島(サハリン島)を確認することができました。
【宗谷郡猿払村】
○猿払村・猿払漁協関係者との昼食懇談会
次に向かったのは「日本最北の村」と言われる猿払村。宗谷岬のある稚内市の隣、オホーツク海側に位置しています。ホタテが有名で、その漁獲量は全国最高を誇ります。枝野代表は「ホテルさるふつ」にて、伊藤村長、木村猿払漁協専務らと名物のホタテを使った昼食をとりながら懇談を行い、村や漁業・漁協の取組みと現在抱える課題などについて話を聞きました。
【枝幸郡浜頓別町】
○「拓進ファーム」視察
猿払村に隣接する浜頓別町では「拓進ファーム」を視察。高齢化と後継者不足に悩む中、同ファームは生乳生産量を上げるべく4戸の酪農家が中心となって立ち上げた町内初の農業生産法人であり、飼養頭数869頭、生産乳量4426トン(いずれも2018年末現在)のメガファームです。当面の懸念事項として日米貿易交渉の大枠合意により輸入牛肉と競合する乳雄牛の販売収益の低下に不安を覚えていること、獣医師のなり手不足など、ファームや地域が抱える問題について話を聞きました。その一方で社宅の整備等、人材確保のための取組みに力を入れているとの話もありました。また、町内の自然エネルギーで発電された電気の送電線網の整備、通信網の整備についての要請がありました。
【枝幸郡枝幸町】
○「よくばりフェスタ2019」見学
視察2日目の朝は、枝幸町で開催されている「よくばりフェスタ2019」を見学。枝幸町は「日本一のカニの町」と言われ、他にもホタテ、鮭などが有名です。枝野代表は、村上町長とともに会場内を歩き、出店されている枝幸の豊かな海産物・農産物や、同じ読みの「えさし」つながりで出店をしている江差町のブースなどを見て回った後、フェスタ開会に際してあいさつを行いました。
【中川郡音威子府村】
○音威子府村関係者との昼食懇談会
枝幸町から内陸側に入ったところに位置する音威子府村から佐々木隆博副代表も視察に加わりました。枝野代表らは「道の駅おといねっぷ」にて、佐近村長をはじめとする村の関係者と、名物の音威子府そばを食べながら懇談。佐近村長からは(1)JR北海道の路線縮小(2)町村立高校の財政(3)過疎対策――等について要望を受けました。また、農家の戸数・人口は数年前と比べ上昇傾向にあるが、それは戸別所得補償制度に支えられたものであり、今後も更なる支援をお願いしたい旨の話がありました。
同村で地域おこしを行っているNPO法人「ecoおといねっぷ」の金児理事長からは、村外出身の学生が多数を占める「村立北海道おといねっぷ美術工芸高等学校」の卒業生のうち、そのまま村内に留まって働きたい人がいるにも関わらず、その受け皿がない現状を聞きました。同NPOでは、そうした卒業生を数人採用したといいます。
【宗谷本線】
○JR北海道路線縮小と維持に関する視察
JR音威子府駅とJR名寄駅(名寄市)の視察では、駅舎内やホームでJR北海道職員などからそれぞれの駅の歴史や路線縮小・維持に関して説明を受けました。音威子府駅は特急も停車し、旧天北線方面・枝幸町方面などに向かう路線バスの重要な拠点でもあります。名寄駅は、市の中心に位置し特急・快速が停車する宗谷本線の主要駅です。
【旭川市】
○「川添農園」視察
名寄駅から車で1時間、旭川市の「川添農園」を訪れました。川添農園は、稲作と玉ねぎやスイートコーン等の複合経営を行っています。稲刈りは終了していましたが、苗のビニールハウスや乾燥庫などを視察しました。川添代表からは離農者の増加、新規就農者の減少の中で自分たち担い手だけで広大な水田を支えていくことの重要性や苦労、課題等について話を聞きました。
○ささき隆博ふるさとの集い
視察終了後、枝野代表は、旭川市内で開催された「ささき隆博ふるさとの集い」に出席しました。あいさつでは2日間の視察を踏まえ「大事な1次産業を担っている皆さんが自信を持ってこれからも仕事を続けていける、小さな村でも頑張れば自立してやっていける、こういう日本にしていこうじゃありませんか」と訴えました。