立憲民主党は第198通常国会が閉会した26日、#令和デモクラシー緊急街宣 と題した街頭演説を東京・新宿駅東南口で行い、間もなく公示される参院選挙に向け、党の理念・政策を訴えました。
長妻昭代表代行は、安倍内閣について「改ざん、隠ぺい、自分で頼んだ報告書を受け取らないで無きものにする。新しい手口がどんどん繰り出されている。なんでもあり、モラルもへったくれもない。このままでは日本のモラルがどんどん崩れていく」と批判しました。
山岸一生参院選挙候補内定者(東京選挙区)は、朝日新聞の政治記者の経験から、「統計不正問題、現場で取材しながら「またか」と思った。忖度・隠ぺい・改ざん、この数年この文字を新聞やテレビで見ない日はない。私も書かない日はない。それくらいおかしな政治が続いていた。上から方針を押し付けて、誰もそれに文句が言えない、声が上げられない、そんな政治が続いています。この空気を放っておいていけない、声を上げなくてはいけない。今こそ空気変えなければいけない」と訴えました。
塩村あやか参院選挙候補内定者(東京選挙区)は、都議会議員を1期4年を務めた時、初めての一般質問でいわゆるセクハラ野次を浴びたことを振り返り、「議会の半数を埋めている人たちがこんな態度であるから、東京の待機児童問題は全然進まないんだと実感した」と語りました。また今の国会も「都議会で起こっていた構図とまったく変わらない」と語り「当たり前のことを進めたい」と訴えました。さらに自身も非正規雇用だったこともあり「20年先、当時の政治家は一体何をしていたんだと言われないために、当事者だからこそ皆さんの声、非正規の声、福祉が細って安心して暮らせない日本でいいのか、皆さんの声をしっかりと国会に届けていく」と語りました。
石川大我元豊島区議会議員・参院選挙候補内定者(比例)は、「中学生の時、LGBTの当事者であることに気づき、同時にこの国では幸せになれないと絶望した。しかし30年後の今年6月3日、立憲民主党が同性同士が結婚できる婚姻平等法案を提出。多様性を尊重し、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う社会を皆さんと一緒に作っていきたい」と訴えました。さらにジョン・レノンとオノ・ヨーコの言葉「ひとりで見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」を紹介、「中学生の時、この国で愛する人と結婚する法律ができたらいいなと思いました。その夢が30年経って今、これだけの多くの人と共有することが、一緒の夢見ることができた」と語り、「皆さんとさまざまな夢を見て、それを現実にしたい」と語りかけました。
奥村まさよし参院選挙候補内定者(比例)は「タレント候補が出てきたと思われるかたもたくさんいらっしゃるかもしれません。でも、23年前、日本最年少の気象予報士としてさまざまなメディアに出演させていただいた。実はアーティスト活動と並行して8年間、保育園の先生もやってきました。この保育現場で見た、日本の保育崩壊の現実、これを一刻も早く止めなければならない。待機児童の問題、そして超がつくほどの保育士不足。しかし、この保育の量の問題、これを見ずして自民党は保育無償化を始める。保育の量、待機児童の問題を解決しなければ日本中の子どもたちは笑顔になりません」と語り「保育士を笑顔にすれば、子どもも笑顔にできる。パパママも笑顔にできる。おじいちゃんおばあちゃんも笑顔にできる。日本が笑顔になる。保育士として、そして増える災害に対応する気象予報士として、さまざまな専門知識で立ち向かいたい」と訴えました。
川田龍平参院議員・参院選挙候補内定者(比例)は、「薬害エイズの問題から、この国の厚生行政、特に医療の問題をより良くしたい、命を守る政治を実現したいという思いで12年間国会で仕事をしてきた。国会最終日の今日、ひきこもり問題のワーキングチームで要請行動も行ってきた。当事者の声を国会に届けるために全力で頑張ってまいります。命を守る、命が最優先される社会を実現するために皆さんと全力でがんばってまいります」と訴えました。
斉藤りえ元北区議会議員・参院選挙候補内定者(比例)は、「聴覚に障がいを持つ一人として、また子育てするシングルマザーとして、さらに働く女性として、生きづらさを抱えている人、あらゆるマイノリティの声を代弁していく、そんな政治家を目指して全国を歩いています。私は耳が聞こえなくとも、皆さんの心の声を聞いていける、そんな政治を実現したい」を語りかけました。
佐藤かおり参院選挙候補内定者(比例)は、「DVや性暴力被害者の支援の現場で仕事をしてきた。労働組合を立ち上げ、職場のセクハラ・パワハラ、雇い止めの問題など、さまざまな労働の課題を直接会社と数多く交渉してきた。私自身が15年前に派遣社員として働いていた時、セクハラ被害にあったのがきっかけ。当事者こそが社会を変える専門家。あなたの痛みは私の痛みです。あなたの声にこそ力があります。そして一人ひとり困難を抱えた人たちの声こそが政治課題のど真ん中です。痛みを力に」と訴えました。
白沢みき参院選挙候補内定者(比例)は、元東京MXテレビキャスター、文化放送「走れ!歌謡曲」パーソナリティを経験。「立憲民主党が女性候補者を4割にすると耳にした。ぜひやっていただきたいと客観的に見ていた。でも統一地方選挙の選挙ポスターを見ると、子育て中の方や介護をされている方、もちろんそういった女性の声も大いに届けていただきたい。私のように、結婚もしていない、子どもも生んだことがない、それを『いい気なもんだ、一人で身軽で』と何度も言われ悔しい思いをした。確かに子どもはいない、お国のために貢献していません。言いたくても言えなかった。今回、女性の候補者を増やそうというチャンスをいただけるのであれば、私は言いたい『男も女も、堂々と一人で生きている人の声にも耳を傾けてください』。そして私が皆さんの声を拾います。たった一人悩まずに私に語らせてください」と訴えました。
枝野幸男代表は訴えの冒頭、「1年8カ月前、この場所でも私は呼びかけました『立憲民主党は、あなたです』『私には、あなたの力が必要です』。その声に応えていただいた皆さんの代表が今順次ご挨拶をさせていただいた、この参院選挙の候補予定者です。これまで、政治に足を踏み入れようと思わなかった、あるいは思ってもできなかった、そういた当事者性を持った皆さんや、現場の思いを伝えたいと思った皆さんが、勇気を持って参院選挙にチャレンジをしてくれることになりました。これだけ多様な当事者・現場、仲間が勇気を持って立ち上がってくれたことを誇りに思っていますし、こうして勇気を持ってチャレンジしてくれたのは、まさに皆さんが背中を押してくださったから。さらに背中を押していただいて、国会の景色を変えさせていただいたい。そのための立憲の夏にさせていただきたい」と語りました。
続けて、人生の中にも節目があるように、改元は社会にとっての一つの節目だと語り、良かったことは引き継ぎながら、これまでの歩みを振り返り改めるべきことを改めていく機会にしようと訴えました。そして(1)少子化による人口減少と超高齢化社会の到来、その新しい状況に合わせた社会へ(2)違いを認め合い、多様性を力にしていく社会(3)こうした社会の変化に対応できずごまかそうと隠ぺいや改ざんをする政治からの脱却、参加型政治へ――こうしたパラダイムシフト(転換)が必要だとして「明治に自由民権運動があり、大正デモクラシーがあり、日本の民主主義は何度かバージョンアップしながら今に至っている。今の大きな社会の変化の中で令和デモクラシーとも呼ぶべき民主主義のバージョンアップを皆さんを一緒につくっていきたい。この参院選挙をその第一歩にしていきたい」と訴えました。
今回の街頭演説は福山哲郎幹事長が司会、開始時刻前には都内の衆院総支部長・地方自治体議員が中心となって街頭活動を行いました。