衆院本会議で23日、「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」の趣旨説明・質疑が行われ、会派を代表して初鹿明博議員が質問に立ちました。
本改正法案は、昨年8月に発覚した、中央省庁の障がい者雇用の対象者を水増しして、雇用率を達成していたかのように誤魔化していた、いわゆる障がい者雇用水増し問題に端を発し、再発防止の徹底、障がい者雇用率の速やかな達成、そして、中小企業における障がい者雇用の取り組み等を進めるためのものです。
初鹿明博議員は、検証委員会の報告書にある「不適切計上のあった国の行政機関のいずれにおいても、意図的に不適切な対応を行った例は把握していない」という結論付けに対し、再調査をするよう強く求める他、雇用率未達の際の納付金について、「民間でも採用したい障がい者は取り合いになっていて、そんなに簡単に集まらない、そんな中で強引に3800人の採用を行ったら、民間から引き抜くことになるのではないか」という国民の懸念の声にも触れながら、「国に障がい者を引き抜かれた民間の事業主が、雇用率を割ってしまい、納付金を支払わされることになったら余りにも理不尽だ」と指摘しました。
さらに、知的障害者の雇用促進に向け、「民間で進んでいる身体障がい者の雇用は民間に任せ、民間ではなかなか進まない知的障がい者、精神障がい者の雇用を公的機関が積極的に担うべき」「障がいの特性に応じ、タスク分けして業務を切り出すことで、障がい者も企業の戦力になる。知的障がい者の雇用が進むように業務内容を精査し、知的障がい者が活躍できる業務の切り分けを行う等の検討が必要だ」と提案しました。
その他、初鹿議員は(1)障害者活躍推進計画(2)週20時間未満の障がい者の雇用と福祉サービスの関係(3)免職する場合の公共職業安定所への届け出(4)法定雇用率の算定方法、障害者の範囲の見直し――等についても取り上げ、政府の見解をただしました。
最後に、「障がい者の問題は健常者のわれわれにとっても他人ごとではありません。誰しもが病気やけがで障がい者になり得るのです。与野党問わず、障がい者を弱者、少数者の問題と考えるのではなく、自らもなり得る問題として取り組んでいただくようお願いいたします」と、多様性社会の必要性を表明し、質問を締めくくりました。