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2019年3月13日

退位日を決めた皇室会議の議事録は作成されず。「後世の人々が検証できるように。公文書として残すことを考えて欲しい」長浜議員

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 参院予算委員会で13日、安倍総理ら関係閣僚が出席するなか「社会保障・内外の諸情勢」に関する集中審議が開かれ、参院会派「立憲民主党・民友会・希望の会」から長浜博行議員が質問に立ちました。

 長浜議員は、(1)「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」の立法に至る経緯(2)元号はどのように決められるのか(3)元号決定プロセスの透明性と説明責任について(4)天皇の行為の分類と内閣の関与について(5)国事行為たる剣璽等承継の儀に女性皇族を参列させないのは何故か(6)「女性宮家」創設の議論は現内閣で引き続きどのように検討されているか(7)「恩赦」について――などについて質問しました。

 天皇陛下の退位日を決める2107年12月の皇室会議について議事概要の公表はあるものの、出席者の発言や議論の展開などが記された議事録が作成されていないことについて、「三権の長が出席する皇室会議で、どのように決められたかを正確に後世の人々が検証できるようにすることは大切ではないか。詳細な議事録を公文書として残すことをお考えいただければ」と指摘しました。

 天皇の行為については、古来より続く大切な諸儀式や宮中祭祀等の伝統行事は「皇室の儀式」としてご継承いただき、国事行為という事実上内閣が決定し挙行する対外的な行事と切り分け明確に峻別して実施するという検討がされたかをただしました。

 皇位継承式典事務局次長は、「平成のお代替わりに伴い行われた式典は現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行されたものであることから、今回の各式典についても基本的な考え方や内容は踏襲されるべきものである」と説明しました。

 長浜議員はさらに、皇室の歴史は古く、わずか50年あまりの大日本帝国憲法下での旧皇室典範などによる天皇の有りようと比べて、現在の象徴天皇のほうが長い歴史でみた場合、伝統的な天皇のあり方に沿うものであるとの指摘もあるとして、改めてただしました。

 安倍総理は、「現行憲法下における国民の象徴たる天皇陛下のご即位に相応しい、あるいはご退位に相応しいものとしていきたい。同時に、125代にわたって行われてきた伝統ということも当然これは考慮する必要はあるだろうと。この伝統を尊重しながら現行憲法下の象徴として天皇陛下のご退位、そしてご即位に相応しいものにしていきたい」と述べ、各式典について今回新たに検討したとの答弁はありませんでした。

 長浜議員は平成のお代替わりについて、「大日本帝国憲法と日本国憲法という2つの憲法を持った昭和という時代から、日本国憲法下の平成に皇位継承した際、あの時代は皇室の伝統的儀式の形態と、憲法との関係に留意しながらの式典準備が行われていましたが、換言すれば2つのものを1つにするときに生ずるある種の矛盾の克服に関係者がご努力されていたことが資料により推察されます」と述べ、「平成からさらに新たな時代を迎える今日、なにゆえ前例踏襲ということにこだわるのか」と疑問を呈しました。